研究分担者 |
植村 和彦 国立科学博物館, 地学研究部, 室長(研究職) (50000138)
朝川 毅守 千葉大学, 理学部, 助手 (50213682)
奥田 昌明 千葉県立中央博物館, 生態環境研究部, 研究員 (10311383)
山田 敏弘 国立科学博物館, 地学研究部, 研究官 (70392537)
寺田 和雄 福井県立恐竜博物館, 研究員
矢部 敦 福井県立恐竜博物館, 研究員
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配分額 *注記 |
25,220千円 (直接経費: 19,400千円、間接経費: 5,820千円)
2005年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2004年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2003年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2002年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
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研究概要 |
平成14年から16年にかけて,チリ南部において資料収集のための海外調査を行い,白亜紀後期から新生代第三紀の植物化石を多数採集した。資料収集と日本への輸出については,チリ教育省国文化財審議会の許可を得た。平成17年6月に,海外共同研究者であるチリ大学Luis Felipe Hinojosaを招聘し,研究成果の交換と議論を行った。化石研究には時間を要するが,平成17年12月までの研究成果をまとめ,9編の論文を含む英文報告書Post-Cretaceous Floristic Changes in Southern Patagonia,Chile(Nishida H.ed.,Chuo University, Tokyo,107pp.)を刊行した。本研究では葉化石,材化石の新種も見つかっている。また,南米大陸に南極から侵入したナンキョクブナの最古の化石証拠を発見した。Isla Riescoでは,パタゴニアで初めて炭酸質含植物化石団塊を発見し,今後有望な化石群であることを示した。その他,新化石産地を2カ所発見し,白亜紀以降の植生復元と化石に基づく古気候推定も行った。新分類群は学術誌に発表することが義務づけられているため,その他の研究成果等は,今後随時学術誌に発表される。本研究では,最終氷期以降の植生変遷を明らかにするために湿原のボーリング調査による花粉解析も行ってきた。現在資料は奥田及び,アルゼンチンの共同研究チームが解析を行っている。 後期白亜紀以降の南米南部における植生変遷は,現在の南米にみられる植生の成立過程に大きな影響を与えた。チリ南部はこれまで研究の空疎な地域であったが,本研究により知見は大きく深まった。今後,採集資料をもとに,成果を継続して発表する予定である。なお,本研究には,福井県立恐竜博物館の寺田和雄,矢部敦が研究協力者として参加した。
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