研究課題/領域番号 |
14255008
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
人類学(含生理人類学)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大塚 柳太郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60010071)
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研究分担者 |
石田 貴文 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (20184533)
大橋 順 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80301141)
山内 太郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70345049)
夏原 和美 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00345050)
中澤 港 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40251227)
徳永 勝士 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40163977)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
38,090千円 (直接経費: 29,300千円、間接経費: 8,790千円)
2004年度: 12,740千円 (直接経費: 9,800千円、間接経費: 2,940千円)
2003年度: 12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
2002年度: 13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
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キーワード | 成人病 / 生活習慣病 / 遺伝生態学 / 糖尿病 / 肥満 / ライフスタイル / 近代化 / 倹約遺伝子仮説 |
研究概要 |
アジアから先史時代に移住・拡散したオセアニア島嶼集団は、アジア人の遺伝形質を保持しながらも、遠洋航海を伴う移住過程とその後の新環境への適応過程で頻発したと考えられる飢餓などにより淘汰がかかり、潜在的に肥満・糖尿病などの成人病(生活習慣病)のリスクが高い遺伝形質をもつ。現実に多くの集団で肥満および成人病が大きな健康問題になっている。 オセアニア島嶼集団は遺伝的に大きく2つのグループに分けられ、多くの疫学研究は、その1つの集団(AN集団)に肥満・成人病の頻度がとくに高いことを明らかにしてきた。 本研究課題は、遺伝形質と生態学的特性を密接に関連づけ、肥満・糖尿病をはじめとする成人病リスクが高いものの集団間差が大きいAN集団から6集団を選定し、成人病発症にかかわる遺伝形質と生態学的特性の関連性の解明を目的とした。 トンガ集団のBMIは「肥満」のカテゴリーに入り、またウエスト囲/ヒップ囲は加齢とともに増加する傾向がみられた。糖尿病および糖耐能異常の有無と肥満の指標(BMI、ウエスト囲など)には有意な関連がみられ、とくに腹部の脂肪が糖耐能異常のリスクとなっていることが示唆された。インドネシアの2集団のBMI平均値はトンガ集団にくらべて著しく低く、「肥満」は1名(0.2%)のみであった。空腹時血糖値と肥満の指標には有意な相関はみられなかったものの、収縮期・拡張期血圧との間に関連がみられ、成人病のリスクが連関性が示唆された。ソロモン諸島の3集団は近代化の程度が異なる2集団(メラネシアン)と遺伝的に異なる1集団(ミクロネシアン)から構成されている。BMI平均値はインドネシアより高く、トンガ集団よりは低く、男性は「標準」の上限、女性は「過体重」に分類された。尿試験紙結果は、近代化の程度が低い集団は伝統的な食生活を維持していること、また遺伝的背景と食生活の近代化の相乗作用の反映が示唆された。
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