研究課題/領域番号 |
14310001
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
哲学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
新田 孝彦 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00113598)
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研究分担者 |
坂井 昭宏 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20092059)
千葉 恵 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (30227326)
石原 孝二 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (30291991)
中川 大 北海道教育大学, 教育学部札幌校, 助教授 (40237227)
中澤 務 関西大学, 文学部, 助教授 (10241283)
柏葉 武秀 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助手 (90322776)
山田 友幸 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40166723)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
12,400千円 (直接経費: 12,400千円)
2004年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2003年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2002年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 行為 / 認知 / 言語 / 現象学 / 自由意志 / 責任 / 自由意思 |
研究概要 |
本研究プロジェクトは、認知と行為の総合理論の基礎を据えることを目的として発足し、行為の合理性の分析を軸として、隣接諸学との関連をも視野に入れた研究を行ってきた。認知と行為の関連は、古くは「知と徳」の問題として、あるいはカントにおいて「理論理性と実践理性」の問題として問われ続けてきたように、哲学の中心的な問いの一つである。 本研究プロジェクトでは、研究成果報告書第I部に見られるように、プラトンの対話篇を素材としたシンポジウム及びその背景となった研究において、生全体の認知と、そのもとに営まれる行為との関連のありさまを、哲学的思索の根源的な形態において理解しようとした。また、「プラグマティズムと人間学的哲学」シンポジウムにおいては、外国人研究者の協力も得て、日本及び東アジアの思想とヨーロッパにおける合理性概念の検討を行った。ともすれば、近代ヨーロッパに起源をもつ合理性概念にのみ着目してきた従来の哲学研究を、このような形でいったん相対化することは、合理性概念そのものの深化にとって不可欠である。さらに、シャーバー氏のセミナー及びシンポジウムでは、道徳的実在論に焦点を当て、より直接的に行為の合理性理解の可能性を問題にした。 また、研究成果報告書第II部では、行為の合理性の分析と並んで、本研究プロジェクトのもう一つの柱である、哲学的な合理性概念と隣接諸学との関連にかかわる諸問題が論じられている。それらは社会生物学やフレーゲの論理思想、キリスト教信仰、認知科学、メレオトポロジー、技術者倫理と、一見バラバラな素材を取り扱っているように見えるが、それらはいずれも価値と人間の行為の合理性を軸とした認知と行為の問題の解明に他ならない。 認知と行為の関連の問題は、さまざまなヴァリエーションをもって問われ続けてきた哲学の根本的な問題群であり、さらにその根底には人間とは何か、あるいは何であるべきかという問いが潜んでいる。これについてはさらに別のプロジェクトによって研究の継続を期することにしたい。
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