研究課題/領域番号 |
14310020
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
思想史
|
研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
丸谷 晃一 中部大学, 人文学部, 教授 (50279999)
|
研究分担者 |
遠山 敦 三重大学, 人文学部, 教授 (70212066)
苅部 直 (刈部 直) 東京大学, 政治学研究科, 助教授 (00261941)
中田 喜万 学習院大学, 法学部, 助教授 (50406873)
安達 隆一 中部大学, 人文学部, 教授 (80023985)
岡本 勝 中部大学, 人文学部, 教授 (90024059)
鷲見 幸美 名古屋大学, 大学院・国際言語文化研究科, 助教授 (50340211)
相原 耕作 東京都立大学, 法学部, 助手 (80336528)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
|
キーワード | 伊藤仁齋 / 伊藤東涯 / 論語古義 / 孟子古義 / 林本 / 語孟字義 / 童子問 / 稿本 / 歴史的仮名遣い / 中庸発揮 / 仁齋日記 / 東涯日記 / 古義堂文庫 / 最上至極宇宙第一の書 / 伊藤仁斎 / 朱子学 / 仁斎日記 / 日本思想史 / 伊藤東所 |
研究概要 |
伊藤仁齋は、荻生祖徠と並んで江戸時代を代表する思想家である。その著作は、諸稿本を含めて天理大学付属天理図書館古義堂文庫にほぼ完全な形で所蔵されているが、『伊藤仁斎集』は、現在に至るまで刊行されていない。それが仁齋研究、ひいては江戸思想史研究の大きな障壁となっている。その障壁を克服し、『伊藤仁齋集』を刊行することが本研究の目的である。 『伊藤仁齋集』未刊の最大の理由は、底本の確定が困難を極めるからである。本研究では仁齋の諸稿本、及び仁齋の死後、息子東涯等の手によって改訂された諸稿本と比較検討を行った。その結果、仁齋生前最後の稿本である『林本』を底本として採用することに決定した。仁齋の稿本を所蔵している天理大学付属図書館から『伊藤仁齋集』刊行の許可を得、また出版をぺりかん社が引き受けることも決定した。そして土田健次郎早稲田大学教授、大谷雅夫京都大学教授、丸谷晃一中部大学教授によって構成される『伊藤仁齋集』編集委員会も発足した。 『論語古義』『林本』全体は、墨付き凡そ364丁もある。これを翻刻するために博士後期課程以上で専門的知識を有する若手研究者を研究代表者の下に組織化し、『論語古義』『林本』の翻刻を完成させた。但し『林本』には、幾つかの改訂がある。それを仁齋のものとするか、仁齋の死後の門人達の手によるものか、判断が分かれる。本研究では、その改訂を詳細に検討した結果、『古義堂文庫目録』の説に依拠し、仁齋死後の改訂と判断し、'翻刻を行わないことにした。 次いでこの活字化した『林本』の書き下し文の作成、注釈を付ける作業、ルビを振る作業を行った。特に書き下し文作成には困難を極めた。古義堂読みといわれる仁齋の訓読法に関する研究としては三宅正彦「伊藤仁齋の諸稿本とその訓読法」(『日本の思想11伊藤仁齋集』昭和45年、筑摩書房)という優れた研究がある。この説に従いながら、『林本』に句点や送り仮名が付されている場合はそれを優先し、さらには東涯等が『論語古義』を刊行するために作成した『定本』も参考にしながら、書き下し文を作成した。その上で、注やルビなどを振り、こうした作業の結果、927頁にのぼる原稿が完成した。それを校正している。この校正の作業の改訂でも具体的な読みの場面で難問に直面し、それを克服しなければならないが、『論語古義』『林本』を刊行する基本的準備が大体、整ったと言える。
|