研究課題/領域番号 |
14310024
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美学(含芸術諸学)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
菅村 亨 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (10216294)
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研究分担者 |
水島 裕雅 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (10034597)
古東 哲明 広島大学, 総合科学部, 教授 (10153777)
山口 和子 岡山大学, 文学部, 教授 (90093476)
菊屋 吉生 山口大学, 教育学部, 助教授 (60294617)
末永 航 広島女学院大学, 生活科学部, 助教授 (40187612)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2003年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2002年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 芸術 / 戦争 / 異文化理解 / 他者 / ホロコースト / 国家と植民地 / 無理解と共 / 記憶 / 無理解と共生 / 芸術家とパトロン |
研究概要 |
本研究は戦争を諸文化・諸民族・諸階層の対立として把握し,多様な価値観の共生の可能性を探ることを目的とした。3年にわたる研究の成果は報告書としてまとめ、発表することとした。本共同研究に参加した研究者はひとつの共通の課題を設定してきた。すなわち、美学、芸術学、美術史学、哲学という人文的な学問的営為が、現代社会が抱える深刻な問題に対する責任をどのように果たし、どのような提言を行うことができるかという問いかけである。 その研究成果の一つとして、報告書に第二次世界大戦の戦争責任に対する問いかけを包含する、日本とドイツにおける芸術を扱った論考、そして古代ギリシア、イタリア・ルネッサンス、日本中世の美術を対象とする論考、そして音楽、演劇、身体美学、哲学に関する考察という、東西の美学、芸術学、哲学に関する多岐にわたる論考13編(研究分担者以外のものを含む)を収録し、発表した。 菊屋、水島、山口、香川の論文はいずれも、近代、第二次大戦下、およびこの大戦をめぐるドイツと日本における芸術の社会的役割とその可能性に関する考察であり、この研究課題に関して新しい論点を提示した。長田、末永、菅村の論考はそれぞれ古代ギリシア、イタリア・ルネサンス期、日本中・近世の図像から、芸術とその社会的背景、芸術家と国家、図に込められた他者の意識を分析した。桑島は演劇美学、原は音楽美学、樋口はスポーツ美学の立場から、創造、共同体、文化の断絶と理解について考察し、古東は臨床哲学の立場から民族、戦争、異文化の交流と断絶に関して、包括的な考察を行った。 学問が社会に対していかなる還元を成しうるかという問いかけを共有する試みであった本共同研究は安易な統合や一般化を避けることによって、より精確な普遍化を試みることができ、研究者の社会における役割に関して一定の寄与をなし得たと考える。
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