研究課題/領域番号 |
14310037
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験系心理学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
細川 徹 東北大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (60091740)
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研究分担者 |
佐藤 洋 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40125571)
本田 仁視 新潟大学, 人文学部, 教授 (50124623)
内山 伊知郎 同志社大学, 文学部, 教授 (00211079)
奥住 秀之 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (70280774)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
11,300千円 (直接経費: 11,300千円)
2004年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2003年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2002年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 乳幼児 / コホート研究 / 発達検査 / 選好注視 / 眼球運動 / 自己受容感覚 / 自己認知 / K-ABC / 運動解析 / 人見知り / 1歳未満児 / 発達スクリーニング検査 |
研究概要 |
本研究の目的は、乳幼児期の発達諸検査、選好注視及び自己受容感覚のデータから後年の認知機能の水準を予測することの可能性について明らかにすることであった。 生後3〜10ヶ月の男女幼児39名に日本版デンバー式発達スクリーニング検査(JDDST-R)とベイリー式乳幼児神経発達スクリーニング検査(BINS)を実施し、約3年後の3歳6ヶ月の時点でのK-ABC心理・教育アセスメントバッテリー検査結果との関係を分析した。その結果、BINSとK-ABCの尺度得点間に有意な相関は認められなかった。したがって、1歳未満時点での発達検査から後の知的機能を予測することはできないという結論になった。また、乳幼児期に行った選好注視のビデオ画像のフレーム分析による指標と、約3年後のK-ABC尺度得点間にも有意な相関は見出されなかった。しかし、これらの関係はリニアではなく曲線的である可能性が示唆された。 注視方向を視認により判断するフレーム分析の信頼性に関しては、VTR画像をもとに2D/3D運動解析ソフトによる眼球運動の追尾を行い位置変化を分析して同等の結果を得た。すなわち、新奇刺激の選好度(%)は月例に対してU字型曲線を示した。これは左右の定時位置とは関係がなく、選好注視の発達的変化を表すものと解釈された。しかし、この値と約3年後のK-ABC尺度得点との間には有意な関係はなく、U字型に変化する1歳未満児の選好注視を同質の視覚認知機能を表すものと考えることは適切ではないこと、すなわち、月齢帯によって異なる機能を反映する指標と考えるべきであることが示唆された。 生後9ヶ月の乳幼児35名を対象に、ムービング・ルームを用いた自己受容感覚検査と「人見知り」について調べ、約1年半後の時点での自己認知発達の評価結果と比較したものである。その結果、これまでの感情的な側面から解釈されがちであった人見知りの現象が、鏡を見ての自己認知などの認知成分と深く関連することが示唆された。
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