研究分担者 |
岩井 八郎 京都大学, 教育学研究科, 教授 (80184852)
尾嶋 史章 同志社大学, 文学部, 教授 (30177224)
片瀬 一男 東北学院大学, 教養学部, 教授 (30161061)
鹿又 伸夫 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (30204598)
小林 久高 同志社大学, 文学部, 教授 (30215355)
佐藤 嘉倫 東北大学, 文学研究科, 教授 (90196288)
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配分額 *注記 |
5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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研究概要 |
この研究の目的は,現代の日本社会を対象に階層研究の新たな展開を図り,2005年に実施予定の第6回SSM調査(「社会階層と社会移動に関する全国調査」)の準備を進めることにある。この目的に沿って,過去5回のSSM調査データを用いた階層研究の理論的及び実証的な検討と,独自のパイロット調査による方法論的な検討を行った。既存データの分析に関して,近藤(2005)はSSM調査データに対し2段階最小二乗法を適用し,間接的に推定された親の所得から若年世代の教育達成をリアルタイムで分析する方法について検討した。そうした検討から,SSM調査データの広範な利用可能性が社会学のみならず教育学や経済学などの隣接分野に向けて示された。さらに,ライフヒストリー・カレンダー(Life History Calendar)法による面接聴き取り調査を仙台,大阪,島根の3地点で実施し,SSM調査の基本となる回顧的データの収集と分析の技法について集中的な検討を行った。この調査から,個々人のライフヒストリーに関する情報を449人×45行×92列のデータ・シートとしてまとめ,それより系列的データ(sequential data)を構成して,多様な角度から分析を試みた。その結果,データ収集については,時間順序を回答者に意識させた調査方式と意識させない調査方式で回答の内容や精度が異なることが明らかとされた。また,系列的データの分析からは,現在の中高年者のライフコースが男女とも標準化されたパターンをもつこと,ライフコース全体を規定する要因として出身背景や家族状況よりも本人の教育経験が重要であること,現在の若年層ではライフコースの非標準化が進んでいることなどが確認された。最終的に,このパイロット調査の結果をもとに研究成果報告書を作成した。
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