研究課題/領域番号 |
14320002
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎法学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
葛西 康徳 新潟大学, 大学院・実務法学研究科, 教授 (80114437)
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研究分担者 |
吉原 達也 広島大学, 大学院・社会科学研究科, 教授 (80127737)
南川 高志 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40174099)
小川 浩三 桐蔭横浜大学, 法学部, 教授 (10142671)
平野 敏彦 広島大学, 大学院・法務研究科, 教授 (60144804)
芹沢 悟 (芹澤 悟) 亜細亜大学, 法学部, 教授 (10163122)
林 智良 大阪大学, 大学院・法学研究科, 教授 (90258195)
高橋 秀樹 新潟大学, 人文学部, 助教授 (80236306)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2003年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2002年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | キケロ / ローマ法 / イサイオス / 弁論術 / レトリック / ディアレクティク / ヴィーコ / トピク / 古代ギリシア / 修辞学 / 法廷弁論 / ギリシア弁論術 / ローマ法学 / ディアレクティック / 弁証法 / 法の解釈 / スコラ学 / アリストテレス / トピカ / 古典古代 |
研究概要 |
本研究の主要な成果は以下の通りである。第一に、古代ギリシア・ローマにおける法学と弁論術の関係について従来の視点及び研究対象を飛躍的に拡大することが出来た。すなわち、従来はキケロを中心とする弁論術と共和期末のローマ法学の比較あるいはストア哲学の法理論(自然法論)と古典ローマ法学の比較に留まっていた。本研究では古代ギリシア法および法廷弁論(栗原、葛西)、ローマ帝政時代の弁論術(政治弁論を含む、桑山、南川)と法学、さらに古代末期の教父弁論(ヘンク)を含む弁論術とユスティニアヌス法典などにまで、視野を広げることができた。第二に、比較の方法論について従来にない考察を行った。すなわち、論証あるいは議論の構造分析という視点すなわち対論(ディアレクティク)、範型(パラダイム)思考などの論理構造から弁論著作と法律家の議論を比較検討した(小川、芹沢、林、口石、平野)。第三に、基本文献ないし資料の翻訳及び注釈を行った。とくに、キケロの弁論術教科書(発想論de inventione)の翻訳を詳細な注釈付きで行った(吉村、吉原)。この著作の翻訳はすでに存在するが、法学と弁論術の関連という視点から、かつ法律家によってなされた翻訳は皆無であった。専門用語(例えばstatus論)の翻訳及び解釈において学界に資するところ大である。 最後に、残された課題について付言する。弁論術と法学を比較するための基本資料の収集と校訂という作業については残念ながら殆ど進めることができなかった。その原因は、両者を比較する共通の方法的視点が必ずしも明確にされていないためである。共同研究者との議論の結果、現時点では裁判シーンをふくむ紛争解決場面を描いた資料を網羅的に(非法律文献を含む)収集することがまずなされなければならないという合意に到って、すでに研究を開始している。
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