配分額 *注記 |
16,600千円 (直接経費: 16,600千円)
2004年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
2003年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
2002年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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研究概要 |
バブル崩壊以後,深刻な経済不況に苦しむ日本経済であるが,その再生のためには,高度成長期のマイナスストックの解消も大きな課題となっている.それらの一つに老朽化マンションの建替え問題がある. 老朽化マンションを含む市街地再開発における合意形成は非常に困難なものであるが,現状を放置しておくと,マンション及び地域のスラム化を促進させる可能性が大きい.そこで,リバース・モーゲージやピアジェのような高齢者が所有するストック資産をフロー化させる制度を活用することによって,高齢者が抱えている経済的不安を取り除き,再開発計画への参画を促す制度を考察した. 老朽化マンションの建替えの必要性について,築30年以上のマンションの登記簿調査を行い,分譲マンションが抱える建替えへの課題を明確にし,その対応策について提言を行っている.また,武蔵野市,港区,江東区でアンケート調査を実施し,私的所有物である分譲マンションへの公的資金投入の必要性を論じている. 市街地再開発にリバース・モーゲージを活用することを検討しており,東京都中央区月島地区という密集市街地をモデルケースとしてその有効性を検討している.月島のように地価が相対的に高く,表通りと裏通りの地価の格差が大きい地区では,リバース・モーゲージを活用した制度は大きな経済的効果を生み出すことが分かった. さらに、阪神・淡路大震災の際に実施された神戸市の高齢者特別融資制度やアメリカで実施されているTIF(Tax Increment Finance)といった事例の検討を行い,そして最後に,これまでに建替えられたマンションの各種データを参考にして,東京都港区赤坂地区における再開発ケースをシミュレーションし,老朽化マンション建替えの可能性を検討した.
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