研究課題/領域番号 |
14330035
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経営学
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研究機関 | 高崎経済大学 |
研究代表者 |
岸田 孝弥 高崎経済大学, 経済学部, 教授 (00106262)
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研究分担者 |
武井 昭 高崎経済大学, 経済学部, 教授 (20045850)
大島 登志彦 高崎経済大学, 経済学部, 教授 (60203767)
久宗 周二 (財)海上労働科学研究所, 主任研究員
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
15,500千円 (直接経費: 15,500千円)
2004年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2003年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
2002年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | 組織人間工学 / 組織エラー / 意思決定 / 組織事故 / 安全文化 / 企業風土 / 参加型人間工学 / コンプライアンス / 安全マネジメントシステム / 安全風土 / 企業文化 / 一次情報 / トライコーン分析 / システム性災害 / リスクマネジメント / イベントツリー / 事故分析 |
研究概要 |
企業の意思決定過程における組織エラー防止のための組織人間工学的研究として、以下のような研究に取り組んだ。(1)雪印乳業(株)大阪工場における低脂肪乳による食中毒事件、(2)三菱自動車工業(株)製の大型車タイヤ脱落事故及びトラックハウジング破損事故に関わる情報操作、(3)明石市花火大会歩道橋事故、(4)日本フード食肉偽装事件と日本ハムグループの組織改革及び食品安全委員会の組織心理学的研究、(5)京福電鉄過去30年の事故分析、(6)JR西日本救急隊員列車接触事故、(7)韓国大邱市の地下鉄「中央路」駅車両火災事故、(9)美浜原発高温蒸気噴出死傷事故、(9)新宿歌舞伎町雑居ビル火災と経営者の役割等である。 雪印乳業低脂肪乳食中毒事故では、昭和30年に起きた北海道八雲工場の製品による食中毒事故を、企業風土の中に生かしきれなかったケースである。このことは雪印乳業で育まれた安全文化が継承されなかったことが原因と考えられる。 三菱自動車工業(株)製の大型車タイヤ脱落事故の例では、企業風土に基づく組織事故であり、組織文化的接近が必要である。三菱自動車では、自分より職位が上の者に対して意見を言うことの困難さが感じられた。社内の階層権威の勾配が大きかったことが原因の一つとして示唆されていた。 明石市の歩道橋事故では、主催者、警備会社、警察の三者が花火大会の警備について、一つの方向性を見出すことなくバラバラに取り組んでおり、組織としての対応がなかった点に組織事故としての要素が大きい。 この3事例を始めとして、3年間に取り組んだ全ての事件・事故で企業の意思決定過程における組織エラーが認められ、企業の安全文化の確立が必要であることが示唆された。そのための解決策として参加型人間工学の導入が強く望まれる。今後は企業倫理を確立し、企業の行動基準を従業員に示し、従業員が安心して企業活動に取り組めるような、コンプライアンスに基づく活動が企業に定着することが望まれる。
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