研究分担者 |
今井 淳 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (70221132)
神谷 茂保 岡山理科大学, 工学部, 教授 (80122381)
相馬 輝彦 東京電機大学, 理工学部, 教授 (50154688)
大鹿 健一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70183225)
藤原 耕二 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60229078)
横田 佳之 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (40240197)
GUEST Martin 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (10295470)
岡 睦雄 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (40011697)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2002年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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研究概要 |
平成16年度は最終年度であり,これまで問題にしてきた擬4元数構造のとりまとめを行った。 単連結4元数(n+1)次元4元数双曲空間は自然に境界をもちその境界球面にリー群PSp(n+1,1)が射影変換として作用している。我々はこのとき4元数CR幾何学(PSp(n+1,1),S^<4n+3>)を得る。我々は(4n+3)次元多様体上に擬共形4元数CR構造と呼ばれる幾何構造を導入し,この幾何不変量が消滅するとき上記の4元数CR幾何学に一意化されることを示した。これまで,様々な試みのもとに消滅が上記の幾何を導く幾何構造を模索してきたが,なかなか思うようにできず,まずは一般論(Cartan接続理論)から(4n+3)次元多様体上に擬共形4元数構造を自然に導いた。しかし,これが表す形式的不変量はそれが消滅しても,確かに上記の4元数CR幾何学も部分的には出てくるが4元数CR幾何構造を許す多様体まで出てくるわけではなかった。さらにそれよりも細かいことが経験的に知られていた。その後,局所共形的に(4n+3)次元多様体上の擬共形4元数構造をみたとき,4元数共役同値のもとでそれが擬共形4元数CR構造を持つことが証明できた。この発見により,(4n+3)次元多様体上に擬共形4元数CR構造と呼ばれる概念を導入して,さらにこの4元数共役同値のもとでの不変量を構成してみると,確かに不変テンサーの消滅が(4n+3)次元多様体を4元数CR幾何学(PSp(n+1,1),S^<4n+3>)の中に局所的展開することが可能になった。当該年度の成果として一つはChern-MoserのCR幾何構造の4元数アナロジーを構成したこと,また二つ目にはWeyl共形理論を4元数構造を持つ(4n+3)次元の多様体に構築したと言うことが出来る。 これらにより以下の結果が整理された。 (1)(4n+3)次元擬共形4元数CR多様体には4元数ケーラー多様体の曲率テンサーと同様の形を持つ4次曲率テンサーTが存在する。 (2)球面上の標準擬共形CR構造は局所共形的に擬共形4元数CR構造を持つ。 (3)その曲率テンサーTが消滅する際,(4n+3)次元擬共4元数CR多様体は4元数CR幾何学(Psp(n+1,1),S^<4n+3>)に一意化される。 (4)(4n+3)次元多様体上の擬共形4元数構造が大域的に存在するための障害類は多様体上のポントリャーギン類であらわすことができる。
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