研究課題/領域番号 |
14340039
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎解析学
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研究機関 | 学習院大学 (2003-2005) 東京大学 (2002) |
研究代表者 |
谷島 賢二 学習院大学, 理学部, 教授 (80011758)
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研究分担者 |
中村 周 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50183520)
藤原 大輔 学習院大学, 理学部, 教授 (10011561)
水谷 明 学習院大学, 理学部, 教授 (80011716)
渡辺 一雄 学習院大学, 理学部, 助手 (90260851)
下村 明洋 学習院大学, 理学部, 助手 (00365066)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
2005年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2004年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2003年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 数理物理学 / 偏微分方程式 / 非線形偏微分方程式 / スペクトル理論 / 散乱理論 / 時間周期系 / 超局所特異性 / ランダム系 / 量子力学 / シュレーディンガー方程式 / 散乱の波動作用素 / 特異性伝播 / 経路積分 / 非線形方程式 / スペクトル / 分散型評価 / シュレーディンガー作用素 / 停留位相法 / 平滑化作用 / Schrodinger方程式 / ネルソンモデル / レゾナンス / ランダム磁場 / 断熱近似 / 漸近展開 / 量子電磁力学 / phase space tunnenling / ランダムシュレーディンガー作用素 / 状態密度関数 |
研究概要 |
量子物理学に現れる線形・非線型偏微分方程式、自己共役作用素について様々な角度から広範囲に研究した。当該研究期間中に得られた主な研究成果は以下の通りである。 1.シュレーディンガー作用素の散乱理論における波動作用素のルベーグ空間あるいはソボレフ空間における連続性の性質を空間次元3以上の場合に、当該作用素が連続スペクトルの下端に特異性をもつ場合を込めて決定し、その結果を時間依存型シュレーディンガー方程式の解の漸近評価に応用した。 2.シュレーディンガー方程式の解について(1)ルベーグ空間における長時間漸近形をシュレーディンガー作用素がスペクトルの下端に特異性をもつ場合を込めて決定した;(2)解の正則化効果の大きさが対応する古典粒子の高エネルギーにおける有限領域での滞在時間の漸近的性質で決定されることを発見し証明した;(3)超局所特異性の伝播を記述するために新たに斉次波面集合の概念を導入し、無限回微分可能あるいは解析的特異性の伝播に関する従来の理論を著しく改良した;(4)ポテンシャルの壁によって遠方と分離された領域においては解はレゾナンスによって準古典的に展開できること発見した。 3.時間周期系のフロッケ作用素のスペクトル構造をフロッケハミルトニアンによって取り扱う方法の定式化を整理し、これを用いて散乱解の長時間漸近展開公式を与えた。 4.電磁量子力学のモデルであるNelsonモデルに対する散乱理論が光子数2未満のセクターにおいて完全であることを示し、ハミルトン作用素のこのセクターにおけるスペクトル構造を決定した。 5.Feynman経路積分の数学的に厳密な定義あるいは理論を被積分汎関数が多項式増大を持つ場合にまで拡張し、Feynman経路積分の準古典近似の第二項を初めて決定した。またこの理論の拡張に必要な大次元空間における振動積分における停留位相法の精密な誤差評価を与えた。 6.ランダムな磁場とポテンシャルをもつシュレーディンガー作用素のスペクトル構造を決定し、ならびに状態密度関数の正則性などの振る舞いを決定した。 7.さらに非線型シュレーディンガー方程式あるいは非線形波動方程式に対する散乱理論、シュレーディンガー作用素の超特異摂動理論、偏微分方程式の解の有限要素法による数値解法における最良誤差解析などで新たな知見を得た。
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