配分額 *注記 |
9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2003年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2002年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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研究概要 |
1.擬リーマン多様体に対して、その共形変換群の無限次元表現を山辺作用素を用いて構成し、そこで得られた表現の普遍的な性質を研究した(Orstedとの共同研究[6,7,8])。特に、定曲率空間と共形同値な空間に対しては、この手法により、一般の不定符号をもつローレンツ群の極小ユニタリ表現が構成できることを証明した。また、系として、ある種のウルトラ双曲型偏微分方程式の大域解が共形不変な不変量(保存則)をもつことを構成的に証明した(論文[4])。 2.複素多様体の双正則変換の軌道に構造を与えることによって、種々の無重複表現の統一的な理解ができることを、典型的な例で示した(論文[12,15,17])。なお、この研究は次期研究課題の着想につながっている。 3.ユニタリ表現の分岐則を、1や2の幾何構造と関連づけて研究した(論文[7,9,15,18])。例えば、1では共形と等長という2つの幾何の比較を量子化し、2ではHua-Kostant-Schmidの公式の無限次元に一般化した。さらに、研究代表者によって開拓された簡約リー群のユニタリ表現の離散的分岐則の基礎理論および、表現論・非可換調和解析・モジュラー多様体のトポロジーへの応用理論を論文[1],英文著書[4]で著した。 4.吉野氏、Nasrinとコンパクトな局所対称空間の存在問題および冪零等質空間の不連続群の変形を研究した(Borelの追悼論文[20],[27])。また、当該研究者が開拓してきた擬リーマン等質空間の不連続群の理論の概要と、これに関するユニタリ表現論やエルゴード理論など他分野からのアプローチの現状をまとめ、著書[1]と論文[19](英訳は[28])に著した。 5.これらの話題に関して、研究代表者の小林俊行はICMでの招待講演(2002),汎アフリカ国際会議での基調講演(2004),第4回アジア数学者会議の招待講演(2005)など、国外における20数回の1時間の招待講演を含む約60回の講演を行った。また、内外で国際研究集会の主催・共催や、拠点のRIMSにおける学外セミナーの運営を行い、近辺の研究者と視野を拡げる機会を常時設けた。
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