研究課題/領域番号 |
14340081
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 (2004) 高エネルギー加速器研究機構 (2002-2003) |
研究代表者 |
清水 韶光 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (20011744)
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研究分担者 |
川端 節弥 (川端 節彌) 高エネルギー加速器研究機構, 計算科学センター, 教授 (40152996)
金子 敏明 高エネルギー加速器研究機構, 計算科学センター, 教授 (40177522)
湯浅 富久子 高エネルギー加速器研究機構, 計算科学センター, 助教授 (00203943)
石川 正 高エネルギー加速器研究機構, 計算科学センター, 助教授 (90184481)
藤本 順平 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (90202291)
栗原 良将 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (50195559)
加藤 潔 工学院大学, 工学部, 教授 (50152707)
黒田 正明 明治学院大学, 法学部, 教授 (00170134)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
2004年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2003年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2002年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | QCDの摂動計算 / 高次補正 / イベント・ジェネレータ / 自動ファインマングラフ計算システム / LHC実験 / soft / collinear近似 / ループ補正 / パートン・シャワー / collinear近似計算 / QCD / NLLパートンシャワー / 自動計算 / 多体生成反応 / NLO計算 / CD / ファインマン振幅 / Tevatron実験 |
研究概要 |
エネルギー・フロンティアにおける次期大型加速器として、欧州原子核研究機構(CERN)ではLHC(Large Hadron Collider)計画を推進している。これは、陽子・陽子の衝突型加速器で、陽子ビームを7TeVまで加速し衝突させるもので(衝突エネルギー14TeV)、2007年の実験開始に向けて建設が進んでいる。LHCの実験グループの一つであるATLASグループに、日本からも100人規模の研究者が参加しており、実験の準備を進めているところである。 LHC実験の目的の一つは、Higgs粒子の探索にある。Higgs粒子とは、現在までに高い精度でその正しさが確認されている素粒子物理学の標準模型のなかで、唯一その存在が予言されていながら実験的に確認されていない粒子であり、この粒子を発見し、その性質を出来る限り精密に測定する事は、標準理論を完成させる上で非常に重要である。LHC実験は上記Higgs粒子以外の新粒子・新現象の発見にも重点がおかれており、衝突エネルギーを上げやすい陽子・陽子衝突型加速器となっている。しかし、陽子はクォークやグルーオンという、強い相互作用を行う粒子からなる複合粒子であるため、その衝突に際してはジェットと呼ばれる、大量の粒子群を生成する。それが信号の測定に対する、大きなバックグランドとなることが分かっている。このような大量のバックグランドの中から、目指す信号を発見し、また精密測定を行うためには、バックグランドの振る舞いを、出来る限り精密に理解しておく必要がある。そのためには、バックグランドを生成している強い相互作用を記述するQCD(Quantum Chromodynamics、量子色力学)の理解が不可欠である。 本研究ではそのために、QCBの摂動計算により高次補正まで含んだイベント・ジェネレータを作成する基本的な方法を確立した。高次補正を含んだイベント・ジェネレータの作成に必要な各要素を挙げると、1)散乱振幅1(最低次)、2)散乱振幅2(ループ補正)、3)散乱振幅3(実粒子生成補正)、4)ループ積分、5)soft/collinear近似計算、5)パートン・シャワーモデル、6)パートン・シャワーと散乱振幅の整合的接続、複数の散乱過程の統合である。以上各要素の基本研究に基づき、実際に簡単な物理過程(ドレル・ヤン過程、即発光子生成過程)についてのイベント・ジェネレータを作成した。本成果を基盤とし、LHC実験に必要な「W/Zボソン+(複数)ジェット」の過程等のより複雑な反応過程のイベント・ジェネレータの作成が可能となった。
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