研究課題/領域番号 |
14340111
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
寺嶋 太一 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノマテリアル研究所, 主幹研究員 (40343834)
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研究分担者 |
宇治 進也 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノマテリアル研究所, ディレクター (80344430)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
2004年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2003年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2002年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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キーワード | 高圧力 / 磁場 / ドハース・ファンアルフェン効果 / 強相関電子系 / 強磁性 / 超伝導 / フェミル面 / 反強磁性 / フェルミ面 / 圧力 / 有機伝導体 |
研究概要 |
1.NiCrAl合金を使用した2層式クランプセルを開発し、3GPaの高圧力下でのドハース・ファンアルフェン(dHvA)効果測定を実現した。 2.圧力有機強磁性超伝導体UGe_2について、磁化容易軸方向の高圧下dHvA効果測定を行い、二つの磁場誘起相転移を含む磁場-圧力相図を決定するとともに、フェミル面の圧力変化、磁場変化を明らかにした。本化合物の超伝導が磁気揺らぎにより媒介されている可能性が議論されているが、本研究では、磁気揺らぎによる準粒子の質量増強効果が、強磁性転移そのものではなく、強磁性相内で発現する起源不明のもうひとつの時期的転移に由来することを示した。 3.超伝導を示す強磁性体ZrZn_2の高圧力下dHvA効果測定を行った。アップスピンとダウンスピンのフェミル面の交換分裂の磁場・圧力依存性を詳細に解析した結果、二つの異なる時期的状態の間のクロスオーバーが磁場によって引き起こされる事が明らかになった。実験的に得られたZrZn_2の圧力-温度-磁場相図は、同じく強磁性状態で超伝導を示すUGe_2のそれと類似しており、二つの化合物の強磁性状態の超伝導に共通の機構が存在する可能性を示唆する。 4.反強磁性体CeIn_3のネール温度は常圧で10Kであり、圧力とともに低下し、臨界圧力約2.5GPaで零となる。その近傍の圧力域で超伝導が発現する。臨界圧力を超える3.1GPaまでCeIn_3のdHvA効果の測定を行った。臨界圧力で新しいフェミル面が観測にかかるようになるが、その前後の二つの圧力でもフェミル面の顕著な変化が観測された。更に、別の圧力で準粒子有効質量の磁場依存症が反転する事が分かった。これらの結果は、反強磁性・非磁性転移に伴う電子状態の変化が、臨界圧力で一度に起こるのではなく、逐次的に起きている事を示唆する。
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