配分額 *注記 |
14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
2004年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2003年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
2002年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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研究概要 |
低エネルギー電子衝撃および低速多価イオン衝撃による希ガス固体からの脱離過程の実験的研究を行い,以下の知見を得た。 ・低エネルギー電子衝撃により固体Neから脱離する準安定励起原子の飛行時間分布を測定した。固体Neを7.0Kでアニールすることにより,運動エネルギーが増大し,脱離角度分布が表面垂直方向に鋭さを増すことを見いだした。これはアニールにより表面が結晶化した結果であることがわかった。また,脱離角度分布の温度依存性を測定し,温度を上昇させると角度分布の鋭さが減少することがわかった。 ・多価イオン入射により脱離するイオンを観測した。主たる脱離イオンはNeクラスターイオンであり,そのサイズ分布は非常に広く,n〜100程度まで達することがわかった。 ・多価イオン入射による絶対脱離収率を測定した。Ar^<q+>,Ne^<q+>による脱離収率の入射イオンエネルギー依存性から,Kinetic SputteringとPotential Sputteringの寄与を分離することに初めて成功した。Kinetic Sputtering収率は,入射イオンの運動エネルギー1eVあたり2.5原子,Potential Sputtering収率は入射イオンの内部エネルギー1eVあたり3.8個であることがわかった。また,脱離に必要な敷居エネルギーが存在し,固体Neの場合は約20eVであることがわかった。この値は固体Neのバンドギャップエネルギーおよび励起子生成エネルギーにほぼ一致している。
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