研究課題/領域番号 |
14340138
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
気象・海洋物理・陸水学
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研究機関 | 独立行政法人海洋研究開発機構 (2004) 東京大学 (2002-2003) |
研究代表者 |
中村 晃三 (2003-2004) 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境フロンティア研究センター, サブリーダー(研究職) (20143547)
木村 龍治 (2002) 東京大学, 海洋研究所, 教授 (20013576)
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研究分担者 |
新野 宏 東京大学, 海洋研究所, 教授 (90272525)
毛利 英明 気象研究所, 物理気象研究部, 主任研究官 (10354490)
森 厚 東京学芸大学, 教育学部, 助手 (20272627)
栗原 和夫 気象研究所, 物理気象研究部, 室長(研究職) (70354488)
中村 晃三 東京大学, 海洋研究所, 助手 (20143547)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
14,900千円 (直接経費: 14,900千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 10,800千円 (直接経費: 10,800千円)
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キーワード | 傾圧不安定 / 水平対流 / 回転実験 / 境界層 / クールアイランド / 乱流 / ヒートアイランド / 回転流体 |
研究概要 |
回転系上で、流体の底面中心の軸対称な領域を冷却したときに形成される軸対称なクールアイランド循環とこの軸対称流に生ずる傾圧不安定を気象研究所の大型回転実験装置を用いた回転水槽実験、力学理論、数値実験により調べた。 回転水槽実験では、底面に敷いた感温液晶シートによる地表面近くの温度場の可視化を行うと共に、水平なレーザーシートを用いたPIV(Particle Image Velocimeter)により、様々な水深における水平流速ベクトルを求めた。その結果、基本場の回転がないか、小さい場合には流れは軸対称にとどまるが、回転がある程度大きくなると、軸対称流は不安定になり、周方向に波数2-3の擾乱が生ずる。更に、回転が大きくなると周方向の波数が増加すると共に、非常にchaoticな流れが実現することがわかった。また、PIVに用いるトレーサー粒子は、Lycopodium(ヒカゲノカズラの胞子)を同密度の塩水に浮遊させる形で用いるのが最適であることを見つけた。 2次元のslab-symmetryを仮定した力学理論にもとづく解析では、最近研究分担者たちが発見した非回転系の非線形クールアイランド循環のレジーム遷移にもとづき、準定常状態に落ち着いた後の回転系のクールアイランドのレジームには、拡散レジーム、重力流レジーム、重力波レジームの3つがあることを示した。どのレジームに落ち着くかは、適切に無次元化した回転角速度と成層パラメータによって決定される。これらのレジームの中で、非線形のバランスが成り立つのは、重力流レジームであるが、このレジームは適切なスケーリングのもとに相似解を持つ。この相似解は傾圧不安定に対して常に不安定であるが、室内実験は軸対称2次元で行っているために、回転が遅いと変形半径に比べて冷却域の半径が小さく、傾圧不安定性擾乱が発達できないことがわかった。
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