配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
2004年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2003年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
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研究概要 |
インドシナ地域の大陸地殻の中核となるコンツム地塊において,変成・火成作用と各種地質学的イベントを正確に把握し,アジア大陸東縁部の地殻形成プロセス明らかにするために以下のような研究を実施した. ベトナム中部・コンツム地塊に分布する変成岩類のうち,本研究で実施してきたカンナック岩体,ンゴック・リン岩体,およびカム・ダック岩体のほか,新たに北部ベトナムの関連地域としてソンマ縫合帯について野外調査を実施した.各岩体を特徴づける岩石について,変成条件・変成プロセスの精密解析を行い,カンナック岩体で確認されていた1050℃以上の変成作用を受けた超高温泥質変成岩類が,コンツム地塊の広範囲に分布することが明らかになった.また,ンゴック・リン岩体から産出を報告し,時計回りの変成経路をしめすとみなした高圧のグラニュライト相苦鉄質変成岩は,過剰シリカ成分をしめす単斜輝石や過剰チタン成分をしめすザクロ石などの精密解析の結果,2.8GPaに達する超高圧変成条件から等温減圧したことが明らかになった. Sm-Nd内部アイソクロン年代およびイオンマイクロプローブを用いたU-Pb系のSHRIMP年代測定を実施した.その結果コンツム地塊の主要な変成作用は,約2億5千万年前の微小大陸集合によるアジア大陸形成期に起こった衝突型変成作用であることが明らかになった.また,これらの変成岩類には,衝突型変成作用以前に25億年前,10億年前,5億年前,および4億年前の火成・変成作用の履歴も残存していることも明らかになった.これらの成果は,環インド洋地域のゴンドワナ超大陸およびロディニア超大陸の形成・分裂過程を検討するうえでも重要な規制を与えることになると考えられる.研究成果は,41編の公表論文(印刷中および投稿中を含む)として発表した.また成果の一環として,ベトナムの成果を含む"Ultrahigh temperature metamorphism"の特集号(223ページ)をJMPS誌で発行した.口頭発表では,国際シンポを含み43編の学会等発表として報告した.
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