研究課題/領域番号 |
14340151
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地質学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
竹下 徹 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30216882)
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研究分担者 |
板谷 徹丸 岡山理科大学, 自然科学研究所, 教授 (60148682)
安東 淳一 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50291480)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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キーワード | 三波川変成岩 / 変成岩の上昇過程・機構 / 石英c軸ファブリック / 秩父帯北帯 / テレーン / 正断層活動 / 圧力溶解-沈殿クリープ / カリ長石の変形実験 / 高圧型岩石変形実験装置 / ジルコン / フィッショントラック年代 / 三波川変成帯 / 構造地質学 / 変形石英の微細構造 / 微細構造画像解析 / 白雲母K-Ar年代 / 石灰岩の変形実験 / 秩父北帯 / フェンジャイト / Si値 / 石墨化度 / 変成温度圧力条件 / 高圧変成岩体 |
研究概要 |
本研究の成果を、以下に箇条書きに述べる。 (1)本科研費によって購入した、Zeiss高級偏光顕微鏡、デジタルカメラおよび既存のノートパソコン(Mac)を用い、スイス、バーゼル大学のヘイルブロナー教授が開発した石英c軸方位の自動測定システムを立ち上げた。実際には、科研費補助金でヘイルブロナー教授を1か月間招聘し、その期間に四国中央部三波川帯産の石英片岩のc軸ファブリック・微細構造を多数記載した。この成果は、現在Tectonophysics誌特集号の論文として準備中である。 (2)四国中央部三波川変成帯と、同様に低度の三波川変成作用を被っている秩父北帯の境界、および2つの地質帯の実質的な相違は、これまで必ずしも明確になっていなかった。本研究で清水構造線が両帯の境界であること、また2つの地質帯は岩相や地質構造が全く異なる、2つのテレーンであることが明らかとなった。 (3)新居浜市南部地域の三波川帯で、詳細な野外調査および石英片岩の微細構造解析を行った。その結果、この地域に上昇時に形成された露頭スケールの正断層および褶曲構造が顕著に発達していることや、既存の石英c軸ファブリックが、微小断層形成を伴う圧力溶解-沈殿クリープによって破壊されていることが明らかとなった。 (4)重松紀生博士を、2004年度、研究支援者として3か月間雇用し、広島大設置の高圧型岩石変形実験装置を用い,カリ長石単結晶変形実験を行った。その結果、温度800℃、歪速度10^<-5>/sの条件で、カリ長石が結晶内すべりや機械的双晶で変形し、時折破壊することが明らかとなった。したがって、この物理条件は脆性-塑性転移条件に相当すると考えられる。天然の歪速度では、この条件は温度約400℃に相当し、実験結果は天然でその温度で長石類が塑性変形を開始する事実を良く説明する。
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