配分額 *注記 |
14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
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研究概要 |
1.サブリキダスでの粘性係数測定:富士火山1707年高アルミナ玄武岩,および北西九州アルカリ玄武岩についてサブリキダスでの粘性係数を測定し結晶組織との関係を検討した.高アルミナ玄武岩ではリキダス斜長石が極平板状でEinstein-Roscoe-Marsh式より4-5倍の相対粘性係数になるが,アルカリ玄武岩ではリキダスがかんらん石で斜長石も厚平板状でERM式とほぼ一致する. 2.雲仙岳噴出物について,1792年溶岩流と1991-1995年溶岩ドームの形態の違いを岩石学的に検討した.1792年溶岩はよりSiO2に富むが流動性に富む.これはより高温であり斑晶に乏しいことによると考えられた.実験的に1991-1995年溶岩の生成条件を検討し,高温マグマと低温マグマの温度・組成・含水量を推定した.さらに実験的に角閃石-メルトのCl/OH分配を検討し,角閃石の反復累帯構造が揮発性成分の脱ガス・添加によって生じている可能性を示唆した.雲仙デイサイトについてCl,Sの溶解度を測定し,Clが存在する場合にSの溶解度が増加する現象が見出された. 3.島弧玄武岩にしばしば含まれる高An斜長石の成因について高温高圧元素分配実験から検討した.1-5kbの圧力範囲で,斜長石-メルトのCa-Na元素分配係数は圧力が増加すると減少し,メルト含水量が増加すると増加する.また4kb以上ではリキダス相が単斜輝石となりサブリキダスの斜長石はAnに乏しい.以上から同じメルトでは2-3kbで水に飽和した条件が最もAnに富む斜長石が晶出することが示された. 4.高マグネシア火山岩類について,アルタイ南部のデボン紀火山岩類のZircon年代を決定し(3.72億年),アダカイトの成因について議論しそれが沈み込みスラブの溶融によるものであることを示し,さらに狭い地域にアダカイト,含水マントルの部分溶融によるボニナイト,高TiO2玄武岩,低TiO2玄武岩が共存することを示し,それらがシベリア楯状地とジュンガルプレートの間の古アジア海の拡大・収束によって生じた火山岩類が折り重なって産していることを示した.
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