研究課題/領域番号 |
14340166
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地球化学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
濱 健夫 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助教授 (30156385)
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研究分担者 |
柳 勝美 九州産業大学, 工学部, 教授 (10191149)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
11,400千円 (直接経費: 11,400千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2003年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2002年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
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キーワード | 溶存態有機物 / 準難分解性 / 安定性 / 炭水化物 / バクテリア細胞壁 / ^<15>Nトレーサ / ^<15>Nトレーサー法 / ヘテロ多糖 / 貯蔵性グルカン / 西部北太平洋 |
研究概要 |
有機物の難分解化過程について、植物プランクトン、バクテリア等を含む自然微生物群集を用いて、実験的な解析を行った。昨年度までの研究を通して、植物プランクトン有機物の初期続成初期過程において急速に進む難分解化が機構について、バクテリアが関与している可能性が高いと結論づけられた。このため、本年は特にバクテリアにより生産される有機物に中心をおいた解析を行った。また、従来の炭素安定同位体トレーサー法に加えて窒素安定同位体トレーサー法を用いた実験も実施し、含窒素有機化合物の面からも、準難分解性有機物群の特定を図った。その結果、以下の事項が明らかとなった。 1.バクテリアの細胞膜に含まれるアミノ酸であるD型アラニンは、分解実験240日目において、当初のバクテリア細胞に含まれていた存在量の2%近くが溶存態有機物として残存していた。これは、他のアミノ酸の残存率より10倍ほど高く、バクテリアの細胞壁成分が準難分解性溶存態有機物成分の一つであることを示唆している。 2.^<15>Nトレーサー法で溶存態有機窒素の生成過程を追跡したところ、暗条件に変えて1月程度まではその生産が継続することが明らかとなった。このため、初期続成過程で生成される溶存有機物の炭素/窒素比は、上昇する傾向にあった。これは、生成される溶存態有機物の炭素/窒素比が、初期続成過程を通して比較的大きく変動していることを示している。 3.以上の様な結果は、準難分解性有機物として含まれる有機物は、基礎生産者である植物プランクトン有機物に含まれる難分解成分が残存する割合は少なく、初期続成過程において新たに生産された有機物が残存する可能性が高いことを示唆している。
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