研究課題/領域番号 |
14340172
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地球化学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
日下部 実 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 教授 (20015770)
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研究分担者 |
丸山 誠史 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 日本学術振興会・特別研究員(PD)
小島 秀康 国立極地研究所, 南極隕石研究センター, 教授 (10113896)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2003年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2002年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 南極隕石 / 酸素同位体比 / ^<17>O-δ^<18>Oプロット / 非質量依存性同位体分別 / 質量依存性同位体分別 / 初期太陽系の形成過程 / VSMOW-SLAPスケール / 初期大陽系の形成過程 / δ^<17>O-δ^<18>Oプロット |
研究概要 |
地球物質の酸素同位体比(^<17>O/^<16>O比[δ^<17>O]および^<18>O/^<16>O比[δ^<18>O])をδ^<17>O-δ^<18>O空間にプロットすると、大部分はδ^<17>O=0.52×δ^<18>Oで示される質量依存型の線上にプロットされるのに対し、隕石の場合は種類によって異なった場所にプロットされる。また質量依存性の同位体分別を示すものと非質量依存性の同位体分別を示すものとに分類される。これらのことは、隕石母天体が形成された初期太陽系内で酸素同位体比不均質を引き起こす過程のあったことを反映しており、隕石の酸素同位体比は初期太陽系の形成過程をひも解く上で極めて重要な鍵である。南極で発見された隕石はすでに13,000個を越すが、大部分の南極隕石の酸素同位体比は未測定のままである。その意味で南極隕石は惑星科学情報の宝庫である。これらを精選し系統的に分析することを通じて、初期太陽系内ならびに母天体内部で起きた様々な物理化学プロセスの解明を目的とした。 隕石は岩石学的情報に基づいて様々に分類されている。国立極地研究所の保有する南極隕石のうち、以下のグループについて酸素同位体比を測定した。CO3(ALH-77003、ALH-77307、A-881632、Y-791717、Y-81020、Y-82050)、CM2(B-7904、Y-791198、Y-82054、Y-86720、CK5-6(A-881551、Y-82102)、Ureilite(A-881931、Y-74123、Y-790981、Y-791538)、Diogenite(Y-74013)、Eucrite(Y-790266、Y-791195、Y-791826、Y-791960、A-880702、A-880761、A-881388)、EH6(Y-793225、Y8414)。また、南極隕石以外で、最近、落下または発見された隕石(十和田隕石、狭山隕石、広島隕石)、Aubrite、火星隕石および北アフリカの砂漠から回収された一連の隕石(NWAシリーズ)を分析し、岩石学的分類や希ガス組成に基づく分類との対応を検討した。大部分の隕石の岩石学的分類との対応は満足すべき結果であったが、一部の隕石は新しい領域にプロットされ、さらに詳細な検討が必要であることがわかった。 一連の測定の過程で、酸素同位体比の世界標準であるVSMOWとSLAPの同位体比ならびにケイ酸塩標準物質であるNBS28 quartz, NBS30 biotite, UWG2 garnet, San Carlos olivine等を精密に分析し、隕石の酸素同位体比のSMOWスケールを確定した。
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