配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2002年度: 10,600千円 (直接経費: 10,600千円)
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研究概要 |
表記研究課題のもとに金沢大学・神奈川工科大学・総合研究大学院大学さらには海外研究者の協力を得て共同研究を推し進めてきた。金沢大学においては、ノズルジェットフーリェ変換マイクロ波分光器(FTMW)を新たに構築し、また、神奈川工科大学では既設のFTMW装置の機能拡張を計り、ペプチド分子など生体機能を解明するのに有用と考えられる分子種をとりあげ、純回転スペクトルの測定・解析から、その内部運動に関する情報を得ることに鋭意努め、情報伝達の機構解明の糸口をつかむべく研究を進めてきた。 当該研究機関中(平成14-16年度)に取りくんだ分子種はdimethyl methyl phosphonate, N-methylpropion amide,1,1-dimethylsilacyclobutane, N-methyl acetamide, N-methylaniline, N,N-dimethylacetamide, Ar-dimethylether, Ne-dimethyletherなどである。いずれもメチル基内部回転運動を含む複数の大振幅内部運動を有するものであり、今回の研究を通してこれら内部運動に関する詳しい情報が得られた。ことに各内部運動間の相互作用に関する知見は情報伝達機構と直接深く関連するものと考えられ、有用な情報といえよう。たとえば、N,N-dimethylacetamideでは、コリオリ相互作用項を通して3個のメチル基を内部回転が伝播する遷移確率、また、1,1-dimethylsilacyclobutaneでは内部回転-リングパッカリング間の相互作用の回転定数への寄与、等々の精密な情報が得られており、実験データの解析を通して得られたこれらの知見は情報伝達機構を考える上で貴重な成果と云えよう。
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