研究分担者 |
山口 正 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (40230362)
梶原 孝志 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80272003)
BREEDLOVE Brian K (BREEDLOVE Brian K.) 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50333779)
神山 麻子 東北大学, 大学院・理学研究科, 日本学術振興会特別研究員
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配分額 *注記 |
16,600千円 (直接経費: 16,600千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2003年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
2002年度: 8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
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研究概要 |
主な研究成果は,1)三核ルテニウムクラスターオリゴマー,2)供与型白金-金属間結合に基づくナノ構造体の創出,3)クラスター形成配位子の利用の三つに大別される.1)の研究では,三核ルテニウムクラスターのピラジン架橋2量体の非対称型混合原子価状態において,極めて珍しい「電荷移動異性体」の存在を見いだした.また,直鎖状の4量体を分子設計し,14段15電子の可逆な酸化還元波を示すオリゴマーを創成した.更に,4,4'-ビピリジンを架橋配位子として用い,第三世代および第四世代のデンドリマー型オリゴマーを合成した.これらは,それぞれ狭い電位領域で10,22電子の多電子移動を行うことを明らかにした.2)の研究では,さまざまな炭素配位の白金(II)錯体をドナーとして用い,白金(II)と銀(I)イオンが交互に直鎖状に並んだ一次元錯体,および,ロジウム間に金属間結合をもつロジウム二量体に白金(II)イオンを供与型結合を形成させ金属間結合で結ばれた白金-ロジウム-ロジウム-白金4核クラスター錯体を合成した.3)の研究では,p-tert-ブチルチアカリックス[6]アレーンやp-tert-ブチルスルホニルカリックス[4]アレーンなどが目標としたクラスター形成配位子として働くことを明らかにした.前者の系では,二つの配位子と10個の銅(II)イオンよりなる分子量3000におよぶ巨大なクラスター錯体を形成することを構造化学的に明らかにし,更に,銅(II)イオン間には強磁性的相互作用が働いていることも明らかにした.後者の系では,4つの配位子と8個のランタノイドイオンからなる分子量が約5500,直径は約1nmのホイール状の巨大分子「ランタノイドホイール」が生成することを見いだした.
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