研究課題/領域番号 |
14340209
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
松本 尚英 熊本大学, 理学部, 教授 (80145284)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
2003年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
2002年度: 8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
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キーワード | スピンクロスオーバー / 光誘起 / 水素結合 / 超分子 / プロトン / 混合原子価 / キラル集積 / 分子デバイス / キラリティ / 多次元構造 / 光デバイス |
研究概要 |
低スピンと高スピン間を相互変換するスピンクロスオーバー現象は、分子双安定性の象徴的現象であり、次世代光機能素子として大きな期待を集めている。この現象は、(1)3d^4-3d^7電子構造をもつ金属錯体にのみ観測される。(2)狭い領域の配位子場強度を与える配位子に限定される。(3)長寿命光誘起準安定状態には、大きなスピンサイト間相互作用が必要である。この制約のために、ピリジン、トリアゾール,テトラゾール系配位子のごく少数金属錯体にのみ光誘起スピンクロスオーバー現象が観測されていた。大方の研究はこれらを分子修飾することにより実施されている。 私は本研究により、混合原子価、2次元キラル層構造をもつ全く新しいスピンクロスオーバー錯体を見出した。3脚型配位子H_3Lを含み、組成式[Fe^<II>H_3L][Fe^<III>L]X_2をもつ。結晶構造は、2価プロトン種[Fe^<II>H_3L]と3価脱プロトン種[Fe^<III>L]が水素結合により連結してキラル2次元層状構造を形成している。成分2価、3価錯体もスピンクロスオーバー挙動を示し、水素結合による2次元層構造を形成すると顕著なスピンサイト間相互作用が発現し、熱履歴、凍結効果が観測された。陰イオンは、スピン転移に顕著な影響を及ぼし、2段階スピン転移へと導く。本分子系は、以上のように、美しい構造と優れた特徴をもつ新しいスピンクロスオーバー錯体系であり、光誘起、キラリティのおよぼす効果を研究した。また、脱プロトン化に伴うスピン変化、酸化数変化を可逆的に起こす分子系であることを明らかにした。
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