研究課題/領域番号 |
14340224
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
加納 航治 同志社大学, 工学部, 教授 (60038031)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
15,100千円 (直接経費: 15,100千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 13,800千円 (直接経費: 13,800千円)
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キーワード | 水溶性ポルフィリン / パーメチル化シクロデキストリン / 包接錯体 / induced-fit complexation / ヘテロポルフィリンアレー / 光エネルギー移動 / メトミオグロビンモデル / ミオグロビンモデル / 超分子 / 水溶性鉄ポルフィリン / 可逆的酸素捕捉 / 酸素親和性 / パーメチル化β-シクロデキストリン / 包接機構 / induced-fit形包接 / van der Waals相互作用 / 鉄(III)ポルフィリン / アニオン認識 / ヘモグロビンモデル / アニオン性ポルフィリン / カチオン性ポルフィリン / 結合定数 / 熱力学的パラメータ / 鉄ポルフィリン / 軸配位 / 人工酵素 |
研究概要 |
1.ポルフィリン-パーメチル化シクロデキストリン錯体:ある種の水溶性テトラアリールポルフィリンがパーメチル化β-シクロデキストリン(TMe-β-CD)と極めて安定な1:2包接錯体を形成することを見出した。この錯体は10^<-6>M程度の希薄水溶液中においても定量的に1:2錯体を形成する。この発見により、ポルフィリン-TMe-β-CD系が種々の超分子構築に有用であることが予想された。 2.ポルフィリン-TMe-β-CD錯体の生成機構:異常に安定なシクロデキストリン錯体の生成機構につき検討した。その結果、TMe-β-CDはフレキシブルなホスト分子であり、ゲスト分子の形に応じて、ホスト分子が柔軟にその形状を変えながら包接し、その結果、最大のvan der Waals接触が可能となり、酵素類似のinduced-fit type complexationが起こることが、極めて安定な包接錯体形成の原因であることを明らかにした。 3.簡便なヘテロポルフィリンアレーの作成:光合成アンテナクロロフィルモデルや反応中心クロロフィルモデルの構築には、ポルフィリンを自由に集合させ、並べる手法が必要となる。従来は共有結合で複数のポルフィリンを結合させて、ポルフィリン集合体を得てきた。しかしこの古典的な手法は、大変な手間がかかる。我々は、テトラフェニルポルフィリンのメソ位のフェニル基にパーメチル化シクロデキストリンを共有結合で結びつけた複合体は水中で他のポルフィリンと混ぜるだけで、任意のヘテロポルフィリンアレーを作り、このアレー内では非常に効率の良い光エネルギー移動が進行することを見出した。 4.メトミオグロビンモデルとアニオン認識:TMe-β-CDと水溶性鉄(III)ポルフィリン(Fe(III)TPPS)との2:1錯体はメトミオグロビンモデルとして機能し、さらにアニオン認識する超分子として機能することを見出した。この機能は水中でアニオンを選択的に認識するセンサーとして応用できることを示し、特許を申請した。 5.ミオグロビンモデルと酸素の可逆的吸脱着:パーメチル化β-シクロデキストリン2分子をピリジンを含むリンカーでつないだCD2はFe(III)TPPSと極めて安定な1:1包接錯体を形成する。このmet-hemoCDを還元してhemoCDとし、この水溶液に酸素を吹き込むと、oxy-hemoCDが生成することを見出した。この研究は、水中で機能するヘモグロビンあるいはミオグロビンモデルとして世界で始めての例である。特許を申請した。
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