研究課題/領域番号 |
14340248
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物生理
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 寛 東大, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (60222113)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
2004年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2003年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
2002年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
|
キーワード | Arabidopsis thaliana / chloroplast / RNA polymerase / transcription / sigma factor / development / stress response / promoter / シロイヌナズナ / 色素体 / 転写制御 / RNAポリメラーゼ / シグマ因子 / オルガネラ / DNAアレイ / ストレス応答 |
研究概要 |
植物色素体DNAの転写は、核コードのバクテリオファージ型RNAポリメラーゼ(NEP)と、色素体ゲノムにコードされ、特異性を核コードのシグマ因子に調節されるRNAポリメラーゼ(PEP)により行われる。本研究では核コードの6種のシグマ因子の機能を知るために以下の解析を行った。 1.核コードのシグマ因子の一つ、SIG2の変異株を用い、これまでにSIG2への依存性の知られているtrnEプロモーター、およびpsbDの複合プロモーター領域について、転写開始点の同定を行った。その結果、trnEプロモーターおよびpsbD上流の-256プロモーターがSIG2に依存して転写されることを確定した。さらにこれらのRNA末端が、RNAプロセシングでなく転写開始点であることを示した。これらはコンセンサス型の-10配列を持っプロモーターであった。 2.SIG2に依存して転写される色素体遺伝子を網羅的に解析するために、シロイヌナズナ色素体の全ての蛋白質遺伝子をカバーするDNAマイクロアレイを構築した。これを用いた解析の結果、野生株よりも転写産物の減少している遺伝子はpsaJのみであり、この減少はノザン解析やSlマッピングによっても確認された。NEPに依存して転写される遺伝子群が、sig2変異株で過剰発現していることも判明し、SIG2に依存したNEPの抑制機構が強く示唆された。 3.ストレスに依存した遺伝し発現制御を調べるため、ストレス条件下における6種のシグマ因子遺伝子の発現を解析した。その結果、SIG5の遺伝子発現のみが、強光、低温、高浸透圧、塩で強く誘導されることを見いだした。そして、SIG5の発現は、従来は青色光で誘導されるプロモーターとして知られてきたpsbD-BLRPプロモーターの発現と一致することが判明した。即ち、BLRPは青色光のみならず、様々なストレスでSIG5に依存して発現する。SIG5欠損株を用いた解析により、SIG5とBLRPの関係、そしてSIG5のストレス耐性への関与が示された。
|