ジベレリンによる伸長生長制御機構の解析

• 研究課題/領域番号: 14340249
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 植物生理
• 研究機関: 広島大学
• 研究代表者: 高橋 陽介 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90183855)
• 研究期間 (年度): 2002 – 2005
• 研究課題ステータス: 完了 (2005年度)
• 配分額: 14,600千円 (直接経費: 14,600千円); 2005年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円); 2004年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円); 2003年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円); 2002年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
• キーワード: ジベレリン / 転写調節因子 / 14-3-3 / 細胞内局在制御 / CDPK / リン酸化 / キナーゼ

研究概要

ジベレリン(GA)は茎の伸長生長に顕著な促進作用を示す植物ホルモンである。発生のプログラムと環境刺激がいかにしてGAの内生量を調節しているかを明らかにすることは、細胞伸長を含め植物の形態形成の分子機構を理解するための鍵となる。本研究ではGA内生量制御に関与する転写調節因子RSGの機能解析を中心に、植物細胞の伸長生長制御の分子機構を明らかにする事を目的とした。
伸長生長に関する転写制御系のネットワークを明らかにするため、bZIP型転写因子RSGと相互作用するタンパク質群をtwo-hybrid法により単離し解析した。そのうちの一つのグループは、14-3-3と呼ばれる真核生物の制御因子に広く存在する構造を持っていた。RSGの細胞内局在制御に影響を与える刺激をRSG-GFPを発現する形質転換植物を用いて探索した。その結果、GAの合成阻害剤ウニコナゾールを投与し植物体のGA内生量を低下させるとRSGは核に蓄積し、逆にGAを投与するとRSGは核から消失する事を見出した。14-3-3と結合できない変異型RSG(S114A)は、野生型RSGと異なりGAの刺激を受けても核から消失せず、核に局在したままであった。したがってGAによるRSGの細胞内局在制御には14-3-3との結合が必要である。これらの結果はGA内生量調節に関与する転写因子RSGの細胞内局在は、GAによって制御されている事を示している。RSGはGA内生量のフィードバック調節に関与すると考えられる。

研究成果

• [雑誌論文] ジベレリン内生量による転写調節因子の機能制御 (2005)
  • 著者名/発表者名: 石田さらみ
  • 雑誌名: 生物物理 45 ページ: 264-267
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [雑誌論文] Functional regulation of a plant transcription factor by gibberellin levels. (2005)
  • 著者名/発表者名: Ishida, S.
  • 雑誌名: Seibutsu Butsuri 45 ページ: 264-267
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [雑誌論文] ジベレリン内生量による転写調節因子の機能制御 (2005)
  • 著者名/発表者名: 石田さらみ, 高橋陽介
  • 雑誌名: 生物物理 (印刷中)
• [雑誌論文] Involvement of 14-3-3 binding in the functional regulation of RSG by gibberellins. (2004)
  • 著者名/発表者名: Ishida, S.
  • 雑誌名: Plant Cell 16 ページ: 2641-2651
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [雑誌論文] Identification and characterization of germin-like protein gene family of a moss, Physcomitrella patens. (2004)
  • 著者名/発表者名: Nakata, M.
  • 雑誌名: Plant Mol. Biol. 56 ページ: 381-395
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [雑誌論文] Involvement of 14-3-3 binding in the functional regulation of RSG by gibberellins. (2004)
  • 著者名/発表者名: Ishida et al.
  • 雑誌名: Plant Cell 16 ページ: 2641-2651
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [雑誌論文] Identification and characterization of germin-like protein gene family of a moss, Physcomitrella patens. (2004)
  • 著者名/発表者名: Nakata et al.
  • 雑誌名: Plant Mol. Biol. 56 ページ: 381-395
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [雑誌論文] Identification and characterization of germin-like protein gene family of a moss, Physcomitrella patens. (2004)
  • 著者名/発表者名: Nakata et al.
  • 雑誌名: Plant Mol.Biol. 56 ページ: 381-395
• [雑誌論文] Involvement of RSG and 14-3-3 proteins in the transcriptional regulation of a GA biosynthetic gene. (2003)
  • 著者名/発表者名: Takahashi, Y.
  • 雑誌名: J Plant Growth Regul. 22 ページ: 195-204
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [雑誌論文] 茎の形成 (2003)
  • 著者名/発表者名: 石田さらみ
  • 雑誌名: 蛋白質核酸酵素 47 ページ: 1581-1586
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [雑誌論文] Involvement of RSG and 14-3-3 proteins in the transcriptional regulation of a GA biosynthetic gene. (2003)
  • 著者名/発表者名: Takahashi et al.
  • 雑誌名: J. Plant Growth Regul. 22 ページ: 195-204
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [雑誌論文] Regulation of stem elongation. (2003)
  • 著者名/発表者名: Ishida et al.
  • 雑誌名: P.N.E. 47 ページ: 1581-1586
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Takahashi et al.: "Involvement of RSG and 14-3-3 proteins in the transcriptional regulation of a GA biosynthetic gene"J.Plant Growth Regul.. 22. 195-204 (2003)
• [文献書誌] Takahashi et al.: "Involvement of RSG and 14-3-3 proteins in the transcriptional regulation of a GA biosynthetic gene"J. Plant Growth Regul.. (in press). (2003)
• [文献書誌] Ishida et al.: "Regulation of endogenous amounts of gibberellins by a bZIP transcription factor RSG and 14-3-3 proteins"Research Signopost. (in press). (2003)
• [文献書誌] 石田さらみ, 高橋陽介: "茎の形成"蛋白質核酸酵素. 47. 1581-1586 (2003)