研究分担者 |
田中 滋康 静岡大学, 理学部, 教授 (90146233)
田吹 亮一 琉球大学, 教育学部, 教授 (60155231)
神谷 隆宏 金沢大学, 理学部, 教授 (09554024)
生形 貴男 静岡大学, 理学部, 助教授 (00293598)
鈴木 雄太郎 静岡大学, 理学部, 助手 (50345807)
神谷 隆宏 金沢大学, 理学部, 教授 (80194976)
池谷 仙之 静岡大学, 理学部, 教授 (50022223)
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配分額 *注記 |
14,700千円 (直接経費: 14,700千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2004年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2002年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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研究概要 |
単純な蝶番構造,二叉型の第二触角,明瞭な体後部体節など遺存的形質をもつKeijcyoidea属の1種について,新種(Keijcyoidea infralittoralis)として記載するとともに,これまで知られていなかった生態的特性(生活場所や行動様式)を明らかにした.また,孵化後の全脱皮段階における背甲形態と付属肢の形態を初めて明らかにし,これについて記載した.成体では第7肢がないことが本分類群の大きな特徴であるが,発生の初期には現れているため,他の貝形虫類と共通の祖先をもつことが示唆された.発生過程での付属肢の付加パターンは,他の貝形虫分類群と大きく異なるが,これは岩礁地の粗粒堆積物中に潜って生息するという特性に特化されたものであることが示唆された. 一般の貝形虫類は,開殻に大顎の頂部を用いることが知られているが,Keijcyoidea infralittoralisを含むPlatycopida貝形虫類は,大顎の頂部が短く小さい.また,頂部の受けとなるfrucral pointもKeijcyoidea infralittoralisの大顎付近にはなく,その代わりにもっと前方にfrucral pointに代わる部位があることを突き止めた.また,第二触角の基部には瘤状の部位があり,これがその部位に対応することが分かった.これらと,第二触角に伸びる筋系から,本分類群の開殻には,大顎が用いられるのではなく,第二触角の基部が用いられていることが明らかになった.したがって,本分類群の開殻メカニズムは,派生型のものとは根本的に異なっており,この違いは食性の進化と密接にかかわっていることが議論された.
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