研究課題/領域番号 |
14350011
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
江良 正直 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (30191927)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
2003年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2002年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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キーワード | 有機無機超格子 / 有機無機ナノハイブリッド / りん光発光 / エネルギー移動 / 有機電界発光素子 / 有機-無機複合超格子 / 燐光発光 / 電界発光素子 |
研究概要 |
1.層状ペロブスカイト有機-無機超格子におけるりん光発光機構の解明 励起子結合によるりん光発光の増強効果の機構を明らかにするため、発色団をナフタレンとして無機半導体層と発色団との幾何的な位置関係(距離および配向角)を変えた有機アミンを合成、発光特性を評価した。その結果、無機半導体層との距離が近いもの、また遷移モーメントが平行になるものほど燐光発光が増強されることが明らかとなった。また過渡発光スペクトル評価の結果ともあわせ、燐光発光の増強効果は向き半導体励起子から発色団励起三重項状態へのDexterタイプのエネルギー移動が重要な役割を果たしていることが明らかとなった。 2.有機層に様々な発色団を導入した超格子の作製と発光特性評価 新規発光材料として、1)三重項増感発色団と発光性発色団の2つの発色団を有する二機能性有機アミン、2)キャリヤ輸送性カルバゾール発色団を有する有機アミン、3)有機アミンを側鎖に有するπ共役高分子などを有機層とした新しい層状ペロブスカイト超格子の作製に成功した。これらの発光特性の評価は現在進行中である。特に、二機能性有機アミンを用いた超格子において、バルキーなアントラセン発色団を有する有機アミンにおいては、これまでにない超格子の作成法として分子混合法を見出し、作製に成功した。さらに、これらの超格子においてりん光発光を確認している。 3.超格子の薄膜化 発光デバイスへの応用のためには、薄膜化が必要不可欠な技術であるLangmuir-Blodgett法を用い、ナフタレンやアゾベンゼンなどの発色団を導入した超格子の作製に成功した。 4.有機-無機超格子を用いた燐光発光電界発光素子 りん光発光性層状ペロブスカイト薄膜を発光層とした電界発光素子において、その燐光に対応した発光を確認した。しかし、その発光効率は非常に低く、今後その高効率化が課題である。 5.有機-無機ナノハイブリッドを用いた有機電界発光素子におけるRGB発光 層状ペロブスカイト超格子以外の新しい有機-無機ナノハイブリッドとして、有機半導体と希土類化合物ナノ微粒子からなるハイブリッド薄膜が、簡便な共蒸着法により作製できることを見出した。さらに、このナノハイブリッドを用いた有機電界発光素子において、有機半導体からのりん光発光に基づいた高効率の発光が得られることや青、緑、赤の三原色の発光が得られることを見出した。
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