研究課題/領域番号 |
14350032
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
黒川 隆志 東京農工大学, 工学部, 教授 (40302913)
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研究分担者 |
武田 光夫 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (00114926)
津田 裕之 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (90327677)
田中 洋介 東京農工大学, 工学部, 講師 (20283343)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
2003年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2002年度: 11,800千円 (直接経費: 11,800千円)
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キーワード | 二光子吸収 / 形状計測 / 光マイクロ波 / 短光パルス計測 |
研究概要 |
シリコン受光素子はバンドギャップが広いため、通常、近赤外光に対して感度がない。しかし、高強度の入射光に対しては、二光子吸収過程によりキャリアが生成され、入射光強度の二乗に比例した光電流が出力される。この二乗特性を利用すると、2つの光マイクロ波や超短光パルスの強度相関を受光素子のみで測定することができる。本研究では、シリコンイメージセンサの二光子吸収を利用し、通常の干渉計測では得られない数mm〜数10m以上の広ダイナミックレンジをもつ形状計測、並びに超短光パルスの波形観測の実現を目標とした。 平成14年度は形状計測の基礎検討として、光ファイバ干渉計により2つの光マイクロ波間に光路長差を設け、シリコンAPDの二光子吸収応答から光ファイバ長差を測定し、特性を評価した。キャリア光の干渉による雑音を除くため、偏波維持光ファイバを用いるとともに、異なる光ファイバを伝搬してきた光マイクロ波の偏波が受光面上で直交するよう、合波に際し、一方の光ファイバの偏波軸を他方に対し、90度回転させた。実験の結果、1mおよび2mの光路長差を3×10^<-5>の測定精度で測定できた。 平成15年度は、測定精度向上の観点から、受光素子の温度と二光子吸収特性の関係について検討を進めた。受光素子の冷却温度制御により、比較的低い入射光強度や、温度制御を行わない場合には光電流出力が飽和するような比較的高い入射光強度に対しても二乗特性が観測されることが確認できた。また、波長の異なる2種類の光源のビートから光マイクロ波を生成することで、偏波状態に依らずキャリア成分の干渉のない強度相関計測が可能なことを実証し、10^<-5>オーダーの測定精度を実現した。一方、これらの知見をもとに構築した短光パルス波形観測システムは、偏波状態が直交した光パルスをわずかに異なる入射角でイメージセンサ上に入射させるもので、原理的にはワンショットでパルス波形が観測できる。実験では、40fsのパルス波形観測に成功している。
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