配分額 *注記 |
14,400千円 (直接経費: 14,400千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2002年度: 8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
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研究概要 |
RCo_5系強磁性金属水素化物(R=La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,Er)および常磁性金属間化合物LaNi_5の水素化物、重水素化物を作製し、平衡圧力に対する同位体効果と磁場効果を測定した。これらの物質の圧力-組成等温曲線を様々な温度で測定し、水素及び重水素化における標準生成エンタルピーと標準生成エントロピーを算出した。さらに磁気モーメントの水素濃度依存性と重水素濃度依存性を測定した。 LaCo_5、PrCo_5、GdCo_5の高濃度水素化物と高濃度重水素化物では平衡圧に対する同位体効果が大きく、重水素圧は軽水素圧の2倍程度であることが分かった。自発磁化は軽水素化物と重水素化物で差異はなく、自発磁化に対する水素濃度依存性は等しいことが分かった。したがって、強磁場中では軽水素と重水素の平衡圧差が指数関数的に増加することが分かった。 軽水素と重水素の混合ガスを金属に接触させて金属にガスを吸収させ、残留ガスの成分を質量分析器を用いて分析した。常磁性のLaNi_5は強磁場中でもガスの選択吸収は起こらなかった。一方、強磁性LaCo_5は混合ガスのうち軽水素を強磁場中で選択的に吸収し、残留ガスには重水素が多く含まれることが分かった。より強い磁場中で吸収反応を行った結果、軽水素の選択吸収性がより増加し、残留ガスに占める重水素の割合が増加することが明らかになった。13Tの磁場中では重水素の成分比は6%以上増加した。 さらに、水素化及び重水素化における電子構造の変化をとらえるために、コンプトン散乱測定によってPdやVなどの水素化物、重水素化物のフェルミエネルギーや電子運動量密度分布を明らかにする方法を確立した。
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