配分額 *注記 |
14,900千円 (直接経費: 14,900千円)
2004年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2003年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2002年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
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研究概要 |
薄板や立体セルに積極的かつ連続的に膜破壊を誘発させ,折り畳みによる塑性変形と膜破壊を同時進行的に起こして,重量当り及び容積当りの衝撃エネルギ吸収量を飛躍的に増大できる軽量セル構造体を開発することを目的として実施し,以下の研究成果を得た. 1.延性材料の貫通破壊条件の推定 アルミの薄板(板厚0.05〜0.3mm)に3種類の円錐形貫通体を押し込む実験を実施し,初期穴生成エネルギ,貫通エネルギなどを実験的に明らかにした.また,衝撃応答解析ソフトLS-DYNAを用いて貫通シミュレーションを実施し,相当塑性ひずみが限界値に達する条件によって,き裂発生及び貫通の予測がある程度可能であることを明らかにした. 2.ハニカム構造体の圧潰現象 ハニカム構造体の衝撃圧潰試験を実施して,具体的な衝撃エネルギ吸収効果を確認すると共に,ハニカムの圧潰過程を高速ビデオなどで観察してその挙動を明らかにした. 3.ハニカム構造体の圧潰シミュレーション ハニカム構造体の衝撃圧潰シミュレーションをLS-DYNAを用いて実施し,そのモデル化,圧潰吸収エネルギ値の予測がある程度できることを確認した. 4.膜破壊を伴うハニカム構造体の圧潰・破壊現象 高さの低いハニカム構造体と薄膜を交互に接着,重ねた膜付きハニカム構造体について膜厚やハニカム高さ,重ねる段数を種々変化させた,衝撃圧潰と膜破壊を同時に発生する圧潰試験を実施し,膜破壊によるエネルギ吸収効果を明らかにした.ただし,ハニカムのセルサイズとセル板厚,薄膜の膜厚との間にある一定条件が成立する場合にのみ,実単位体積当りのエネルギ吸収率の向上がみられることを見出した. 5.膜破壊を伴うハニカム構造体の圧潰シミュレーション 膜破壊を伴うハニカム構造体の圧潰現象を,LS-DYNAを用いて実施する方法を具体的に確立した.その方法を用いて,ハニカムのセルサイズとセル板厚,セル高さと膜厚さの関係を詳細に検討し,単位体積当りの衝撃エネルギ吸収効果をより高くする条件を具体的に見出した.
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