研究概要 |
電子デバイスやマイクロ(ナノ)マシンには,機能に応じて多彩な材料が用いられる.したがって,多種の異種接合部が含まれ,特有の物性を示すと考えられる。本研究では,第1のターゲットとしてシリコン基板((100)表面)とその上に堆積させたアルミニウム薄膜を対象として,平面波基底擬ポテンシャル法を用いた第一原理分子動力学解析を行った。第1層のアルミニウム原子がシリコンのダイマー列間に平行に存在する構造と垂直に存在する構造について検討を加えた.基板上のアルミニウムは,金属的に広がった電子密度分布を有しており,隣接するアルミニウムとの結合がシリコンとの結合より強い.一方,界面のシリコンダイマーは溝側に引き寄せられる. また,先進デバイス中のナノ・エレメントとしてカーボンナノチューブ(CNT)が注目されている.一方、微細エレメントには,周囲との変形ミスマッチによって大きな応力が課せられる.そこで,界面拘束によるCNTの変形特性とそれに起因する電気伝導性の変化について,第一原理解析とタイトバインディング法による解析を行った。ひずみはチューブの軸方向と半径方向の2種類について行った.CNTは無ひずみ状態においても原子構造によって半導体的特性を有する場合と金属的特性を有する場合がある.軸方向ひずみの負荷によって,その特性が変化することを明らかにした.また,半径方向ひずみの負荷によって,半導体的特性が金属的特性に変化することを明らかにした.
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