配分額 *注記 |
9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2002年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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研究概要 |
3d遷移金属の添加によるFe-Mn-Si合金の強磁性化を検討し、Fe_<62>-Cr_<13>-Co_<10>-Ni_7-Si_6-Mn_2[Wt%]合金が磁気形状記憶合金であることを発見した。本合金は記憶熱処理すると形状記憶効果は高くなるが飽和磁化が大きく減少した。Coのない系で最適化した結果、Fe_<68>-Cr_<13>-Ni_7-Si_6-Mn_6[Wt%]合金において950℃で5秒保持した後急冷する条件で、SMEが100[%]でMsが65.8[emu/g]となることを明らかにした。 また、Mnが14[Wt%]を超える高Mn領域においては、これまで液体急冷法によるリボンの作成が困難であったが、わずかにBを添加し,SiとCrの割合を調整することにより、本研究の中でリボンが作成できる条件を明らかにした。得られた試料での実験の中で,Fe-Mn-Si-B合金においてMnが24[Wt%]を超えるような高Mn領域において高い形状記憶効果を示すが,高Mn領域での強磁性化は難しいことを明らかにした。 同様にして,4f希土類元素の添加による強磁性化を検討し,僅かな希土類元素の添加により強磁性化が可能であることが分かった。記憶熱処理を施すことによって飽和磁化の値が減少するが,NdやSmを添加した試料においては添加する量によって飽和磁化の減少が押えられる傾向が見られ,Ndを0.7[Wt%]およびSmを1[Wt%]添加した試料において,SMEの値が100[%]を示しながらも飽和磁化の値が70[emu/g]前後を示す強磁性形状記憶合金の開発に成功した。この2つの試料に対して記憶処理温度と時間の最適化を行い,Ndを0.7[Wt%]添加した試料では970℃で30秒保持した後急冷する条件においてSMEが100[%]でMsが67.9[emu/g]となることを明らかにした。また,Smを1[Wt%]添加した試料では910℃で40秒保持の条件においてSMEが100[%]でMsは87.9[emu/g]という高値が得られた。
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