配分額 *注記 |
14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
2004年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2002年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
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研究概要 |
本研究では非接触で加工力が小さく,加工液処理の負荷が小さいワイヤ放電技術を用いた単結晶シリコンインゴットの高能率,高品位スライシング法について検討した. 平成14年度では単結晶シリコンインゴットの放電加工特性に関する基礎的特性を検討するため,ワイヤ電極1本で切断が可能な特殊放電スライシング装置を設計,試作した.この装置は市販装置と比べて電流ピーク値が低く,比較的放電時間が長いパルスを発生させることが可能である.また,ワイヤ走行速度も10m/sと大きいのが特徴である.この試作装置で検討したところ,従来法であるマルチワイヤソー法と比較して大きな加工速度を得ることができ,かつ同等の加工精度を得ることができた. 平成15年度では,平成14年度で得た基礎的な加工特性を基に高効率な加工が可能となるマルチワイヤ放電スライシング装置を設計,試作した.本装置では1本のワイヤ電極に対して複数個の放電パルスを付与することから,一般的なISOパルス方式では放電集中が生じ安定な加工状態を維持できなかった.そこで,全ての放電パルスを同時にON, OFFを繰り返す同時パルス方式を採用した.これにより,ISOパルス方式と比較して良好な加工状態を達成できた. 平成16年度では,平成15年度で試作した装置の改良を行うとともに,その特性を検討した.給電子設置位置と材料の検討,ワイヤサブガイドの設置,加工液供給方法の改善を行うことで良好な加工状態が得られた.その後,加工条件の影響を検討したところ,ワイヤ走行速度を大きくすることで良好な加工溝形状が得られること,適切な放電条件を選択することで良好な加工面が得られることが明らかとなった.また,マルチにおいても加工速度を維持しつつ,良好な加工溝形状が得られ,本装置により単結晶シリコンインゴットの高能率,高精度なスライシング法の可能性が確認できた.
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