配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 11,400千円 (直接経費: 11,400千円)
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研究概要 |
本研究では,今後の磁気ディスク装置の高密度化に必要となるコンタクト記録方式実現のために,磁気ヘッド摩耗を低減することを目的としている。そのための新しい方法として,機能分担テクスチャ膜コンセプトを提案し,そのための実現方法を研究した。機能分担テクスチャ保護膜は,磁気ディスクカーボン保護膜を2層とし,下層に平滑均一高硬度膜を形成し耐腐食性および摩擦時耐久性を分担させ,上層には軟質カーボン突起膜を形成し磁気ヘッドとの摩擦力低減および磁気ヘッド摩耗低減を分担させるものである。このように各層に機能を分担させることにより,高性能の保護膜を形成することを狙って研究を開始した。しかし,平滑カーボン膜上に突起状カーボン膜を形成することは常識的ではなく,その方法の探索は試行錯誤的にならざるを得ずきわめて難航した。結局FCAカーボン膜に窒素を添加することにより軟質突起膜を形成することが可能であることを見いだした。これにより,10nm以下の突起を形成することができ,磁気ヘッドの摩耗特性を解析するためのピン・オン・ディスク摩耗試験で,機能分担テクスチャ膜による摺動子摩耗低減が可能であることを確認した。また,本テクスチャ膜では意図的に突起を形成するため磁気ヘッドの浮上特性が悪化する懸念がある。これを解決するため,ディスク突起高さを低減するためのディスクバニッシュ加工法も併せて研究した。これまで明確でなかったディスクバニッシュ条件による摩耗の変化を研究し,従来からのテープバニッシュあるいはあらたに提案したダイヤモンド摺動子によるコンタクトバニッシュ法によりさらに摩耗低域が可能であるとの見通しを得た。加えて,ディスク潤滑剤のヘッド摩耗への影響を解析し,潤滑剤分子量が大きいほど,末端極性基は水酸基よりフォスファゼン基の場合に摩耗が小さいこと等を明らかにした。
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