配分額 *注記 |
14,400千円 (直接経費: 14,400千円)
2004年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2003年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2002年度: 9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
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研究概要 |
マイクロTASに代表されるようなマイクロ流体デバイス内で発生する電気浸透流に注目し,その可視化と計測を行うためのツールとして「マイクロPIVシステム」を構築した.特殊な蛍光顕微鏡と従来のPIV装置を応用することにより,どのようなマイクロデバイスやマイクロ流れに対しても適用が可能であるという高い汎用性を実現することに成功した. マイクロチャネル流れを計測することで,マイクロPIVの計測ツールとしての性能評価と改良を行った.次に,電気浸透流へ適用し,マイクロPIV計測およびゼータ電位計測を行った.その結果,電気的にニュートラルとされているPDMSチャネルでも電気浸透流は発生する,トレーサ粒子の電気的特性によって,とくに壁面近くの流体のイオン分布や電位分布が変化し,その結果,電気浸透流速度分布が変化する等の結論が得られた.マイクロPIVの最大の問題は,流れの任意断面計測ができないという点である.顕微鏡で粒子像を取得するため,常に焦点面外のボケたトレーサ粒子像もPIV画像に含まれることになり,電気浸透流計測のように,流路の深さ方向へ高い空間分解能で速度分布を得たい場合には,その被写界深度が大きく影響を及ぼす. そこで次に,マイクロ流路の任意断面流速分布を計測することのできる「共焦点マイクロPIV」を新たに開発した.共焦点顕微鏡法により焦点面外の粒子像を光学的に除去することで,非常に薄い被写界深度で任意断面の鮮明な粒子分布画像を取得することに成功した.共焦点マイクロPIVを用いて,微小液滴の内部流動を可視化計測し,その内部流動は複雑で3次元的流動構造を持っていることを示した.薄い被写界深度で任意の位置での断面速度分布計測を実現した共焦点マイクロPIVシステムは,電気浸透流現象の研究において非常に効果的なツールとなることが確認された.
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