研究概要 |
放射状自由液膜流れは以下のようにして作成した。 鉛直に設置した円管の先端と水平に置いた円盤の表面とで構成される円筒状の薄い隙間から水を放射状に流して円盤上を流れる液膜流れを作る。円盤上を流れる状態で層流境界層形速度分布を十分発達させた後、円盤の周端から液膜を大気中に放出させて放射状液膜流れを作った。円管の内径は25mm、円盤直径は60mm、円管の先端と円盤との隙間は0.2〜0.4mmとした。 種々の供試液体を用いて放射状自由液膜流の流動形態と乱流遷移直後に形成される微細粒状波の集合体を観察し,円盤周端における諸量で定義したレイノルズ数とウェーバー数を用いて整理した.その結果,供試液体が水,グリセリン水溶液,エチレングリコール水溶液の場合には集合体の形状と流動形態に密接な関係が認められ,遷移直後に屈曲した短い筋状の集合体が形成されると,集合体と集合体の間に形成される薄膜に穿孔が生じて液膜が微粒化することがわかった.また,泡が長時間持続できるエタノール水溶液では穿孔が抑制されること,高温の周囲気体によって穿孔が促進されることを示し,放射状自由液膜流の乱流遷移による微粒化が,泡の破断に対する液体の抵抗性や周囲気体の温度に依存することを明らかにした.
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