配分額 *注記 |
12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2003年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2002年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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研究概要 |
本研究で提案する燃焼方式の基礎を固めるために、現象把握・燃焼機構の検討を目的とした「高温予混合気の燃焼機構」と,詳細な反応機構の検討を目的とした「高温予混合気の反応機構」の二つに分けて研究を進めた. 「高温予混合気の燃焼機構」 可視化燃焼器を用いて,メタン,ブタン,DMEを燃料として1000Kまでの高温予熱時の燃焼特性を検討した.その結果,全ての燃料において,高温に予熱することにより保炎限界が希薄側に移動すること,またこのために燃焼温度はほとんど上昇せず,逆にやや低下の傾向になることを確認し,本燃焼方式は十分に実現性があることを明らかにした.なお,DMEでは630K以上になると予熱部内で低温酸化反応が発生し,火炎色が赤みを帯びたものになる一方で,保炎限界が他の燃料に比べて悪化すること,1000K程度になると予熱器内部で第一段の熱炎反応が発生し,燃料が大量のCOに変換されることなどが明らかになった.なおこの低温酸化反応は,圧縮自着火時は着火促進に結びつくこと,またそこでの熱発生量は酸化濃度に支配されることなどを明らかにした. 「高温予混合気の反応機構」 高温予混合気の点火以前に進む低温酸化過程の反応機構を検討した.重要化学種の高感度計測のため,近赤外の光周波数変調法の分光装置を開発した.本装置により,閃光分解で開始するアルキル+酸素反応で生じるHO_2とOHの計測を行った.エチルではエチル過酸化ラジカルの分解で直接生じるHO_2の収率が650K以上で100%に達するが,ジメチルエーテルでは60%に留まり,メトキシメチル過酸化物から生じるOHとHCHOからの間接生成と解釈された.圧縮自着火過程の反応解析として,冷炎後排気される中間生成物の観測に基づいた検討を行い,DME燃料の場合に元始燃料分子と中間種として生成するホルムアルデヒドが連鎖担体であるOHを消費する反応において競合することで連鎖停止条件が与えられることを見出した.
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