研究課題/領域番号 |
14350108
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
熱工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
片岡 勲 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80093219)
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研究分担者 |
吉田 憲司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50314365)
松本 忠義 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10294018)
大川 富雄 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20314362)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
12,600千円 (直接経費: 12,600千円)
2003年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
2002年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
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キーワード | 極大熱流束 / 乱流構造 / 気液二相流 / 強制対流沸騰 / 気泡拡散係数 / ボイド率 / 多次元流動 / 気液界面構造 |
研究概要 |
沸騰二相流の乱流構造を解明しそれを用いて限界熱流束の一般的な予測手法を確立するため、昨年度は沸騰二相流の基礎的な挙動に関する研究として、沸騰気泡の壁面での詳細な挙動、気泡の乱流場内での詳細な挙動、気泡流のボイド率分布の一般的な予測手法の確立、複雑な体系内での気泡流相分布乱流分布の多次元構造、環状噴霧流の液膜界面構造と気相乱流構造等についての実験と解析を行い、広範な流動条件(DNBドライアウトを含む)での限界熱流束を予測する手法も開発した。本年度の研究においては、昨年度の研究結果を基に、沸騰二艘流の基礎的な挙動についての研究を更に発展させ詳細な実験と解析を行うと共に、実際の原子炉体系への応用(限界熱流束の予測)にも重点をおいた研究を行った。 まず、実際の原子炉体系での高温、高圧下における燃料集合体における沸騰二相流の乱流構造と限界熱流速の予測に関して次のような研究成果を得た。燃料集合体内部のボイド率分布の測定結果によれば低圧(5MPa)と高圧(15MPa)では同じ蒸気クオリティーでもボイド率分布は大きく異なり高圧条件ではボイドがサブチャンネル中心に集まる傾向を示す。本年度の研究ではこうしたボイド挙動を予測可能とするため、気泡の乱流拡散係数の圧力による影響を機構論的にモデル化し構成方程式を改良することにより、高圧の燃料集合体内部のボイド率分と限界熱流束を高精度で予測することに成功した。開発した予測手法は、単一チャンネルおよび5×5バンドルのボイド分布の実験データとの比較により検証され、ボイド分布とDNBの予測は実験データとよく一致し、平均的なDNB予測の偏差は-4.9%、その標準偏差は6.7%であり、十分な予測性能を持つことが示された。 また実際の原子炉体系での熱流束の非一様性を考慮して、環状噴霧流の領域における限界熱流束の予測に関して次のような成果を得た。解析において採用した相関式として以下のものを用いている。(1)液滴発生と付着率は、妥当性が熱流動条件の広い範囲で確認された相関式により評価した。(2)液滴発生はせん断力によるものだけでなく、液膜での沸騰によるものも考慮した。(3)環状流開始の蒸気クォリティーは最少液滴流量の測定に基づく相関式により評価した。(4)環状流開始の液滴流量は平衡状態を仮定して与えた。(5)ドライアウトは液膜の完全な消滅によって起こると仮定した。用いられた仮定と相関式は実験データおよび物理的な現象の考慮に基づくもので調整パラメータは用いていない。モデルの妥当性を評価するため広範な実験条件における垂直円管内一様加熱、非一様加熱での水の強制対流の実験結果と比較し限界熱流束の流動様式が環状流であるならば、現在のモデルにより予測された結果は実験データと非常によく一致することを示した。また限界熱流束時のクオリティーが比較的小さい小口径管、短管のケースでも予測性能は劣化しないことも示された
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