配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 16,900千円)
2004年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
2002年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
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研究概要 |
液相を伴う材料生成法において,微小重力環境は浮力対流の影響を無視できる利点がある.このような材料生成法として,フローティングゾーン法という高品位材料生成技術がある.この方法では,浮力対流がなくなっても,部材の加熱部分と冷却ロッドの間の温度差(またはマランゴニ数)の増大に従って,3次元の振動を伴うマランゴニ対流が生起し,結晶構造に欠陥が生ずることが知られている.よって高品質の材料生成を行うためには,マランゴニ対流の制御技術の構築が必要不可欠である. これに関する基礎研究として,フローティングゾーン法における,融液部のマランゴニ対流を簡易化した,ハーフゾーンモデルがしばしば用いられてきた.ハーフゾーン液柱において,臨界点での対流の遷移とそれ以降の対流場に関して,数多くの研究がなされているが,対流の制御に関しては,数例が報告されているのみである. そこで本研究は,広範囲のマランゴニ数領域で,ハーフゾーン液柱内の3次元振動流の抑制を目的とした.電気ヒータで液柱表面温度を局所的に変えることで,対流の能動的制御を実施した.さらに制御手法を発展させるため,3次元PTVを用いた振動流の速度計測も行った. その結果,従来よりも広範囲のマランゴニ数領域において,振動流の抑制を達成した.特に,臨界点近傍において,振動流を完全に抑制することに成功した.さらに,臨界点から離れた高いマランゴニ数領域においても,複数のモード数を同時に制御することにより,振動流を大幅に減衰させることができた.これらの成果は,材料生成におけるマランゴニ対流の抑制に寄与すると共に,流体制御の視点からも新たな知見をもたらすものである.
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