研究分担者 |
二見 茂 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 客員教授
浜松 弘 北九州工業高等専門学校, 制御情報工学科, 教授 (70390531)
牧野内 進 株式会社ニコン, 精機事業カンパニー半導体露光装置事業部, ゼネラルマネージャ(研究職)
中村 裕司 株式会社安川電機, 開発研究所メカトロ技術開発部, 課長(研究職)
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配分額 *注記 |
14,600千円 (直接経費: 14,600千円)
2004年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2003年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
2002年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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研究概要 |
本研究は半導体露光装置の位置制御につき,精度と高速性の向上を計ることのできる制御方法を提案し,実験によりその性能を検証した.以下3つのテーマを設定し,研究を行った. 1)二重予測制御方法の提案と実験 主軸の未来の応答をモデルにより予測し,その未来位置予測を従軸の予測制御器の指令として入力するものである.未来の偏差予測値の評価関数を設定し,その値を最小にすることにより未来の偏差を小さくすることができる.二軸間の高精度同期制御において,シミュレーションと実験により,以下の結果を得た.・二重予測において,モデル予測器の未来位置予測は正確に行われている.・台形速度指令を入力した結果,シミュレーションおよび実験において二重予測制御の方が古典制御に比べ同期誤差は少なく,その差は4倍以上である.また,ロバスト性においても二重予測制御は優れており,外乱の影響を受けなかった.・等速移動指令を入力したとき,定常同期誤差が発生した. 2)高速整定位置決め制御 従来のP-PI制御系にPI加速度制御ループを付加した.使用した加速度センサのバンド幅は5kHzである.加速度制御系のバンド幅は約500Hzとなり,実用上十分であった.また,タグチメソッドを用いて偏差の絶対値の時間積分を最小にするように,実験的に最適パラメータ設定を行った.リニアモータを用いた1軸サーボ系において,位置決め整定時間が100msから5msと格段に短くなった.外乱力抑止性能が10倍向上した. 3)機械共振の安定化と応答性の向上 複数の機械共振が存在する1軸ステージの安定化と応答性を向上させる.ノッチフィルタとローパスフィルタを併用する方法ならびにフィードフォワードとフィードバックを用いた2自由度制御系を用いる方法について設計行った.振動発生メカニズムを制御系に組み込み,振動抑制と位置決め時間短縮に効果のあることを実験により検証した.
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