配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2003年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2002年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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研究概要 |
本研究課題では,自らを制御する能力を失いタンブリング運動する故障もしくは運用終了した人工衛星を,ロボットアームによって安全に捕獲するための宇宙ロボットの制御技術を明らかにし,具体的なミッションを行いうる次世代実用型ロボット衛星の概念設計,基本設計をおこなうための指針を得ることを目的とし,理論展開および実験による研究を行い,以下の成果を得た. 1.捕獲時の接触現象(コンタクトダイナミクス)の定式化 捕獲対象となる衛星モデルを精密石定盤の上において空気浮上させ,宇宙空間に浮遊している状態を模擬した.本実験装置を用いて,ロボットアームが浮遊ターゲットに触れる瞬間の接触現象(コンタクトダイナミクス)に関する力学データを収集し,数学モデルの妥当性検証を行うとともに,モデルに用いる物理パラメータの同定法を確立した. 2.捕獲時に突き飛ばしを防ぐロボットアーム制御法の確立 タンブリング衛星を軌道上のロボットアームで捕獲する際,相手衛星を突き飛ばしてしまうことが懸念されるが,ロボットアームをインピーダンス制御し,そこに与えるインピーダンスを調整することにより,相手を突き飛ばすこと無く接触を維持できることを明らかにした.安定接触の限界インピーダンスを,インピーダンスマッチングの考え方を利用して定式化した.実験の結果,インピーダンスマッチングモデルに基づく接触安定条件が妥当なものであることが確認できた. 3.宇宙用冗長マクロ・マイクロマニピュレータにおける制御性向上法の検討 衛星捕獲用アームは,長尺アームと小型精密アームを組み合わせたマクロ-マイクロ型と呼ばれる冗長アームを構成することにより,広い作業可能範囲と精細なマニピュレーションを両立することが可能となる.しかし,小型精密アームの動作は長尺アームに振動を励起する場合があるため,この振動を適切に抑制し,その作業効率を向上させる制御方法を確立した.
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