研究課題/領域番号 |
14350155
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
橋詰 保 北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 教授 (80149898)
|
研究分担者 |
本久 順一 北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 助教授 (60212263)
葛西 誠也 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (30312383)
赤澤 正道 北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 助教授 (30212400)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
15,400千円 (直接経費: 15,400千円)
2004年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2003年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2002年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
|
キーワード | 窒化ガリウム / 表面制御 / 界面制御 / ショットキー接合 / ヘテロ構造 / フェルミ準位ピンニング / Al_2O_3 / HFET / 窒化カリウム / 表面処理 |
研究概要 |
本研究では、GaN系材料の表面、金属界面、ヘテロ接合界面、保護絶縁膜界面の構造的・化学的特性およびそれらと電気的特性との相関を系統的に評価し、プロセス技術にフィードバックし、絶縁ゲート型およびショットキーゲート型ヘテロ構造電界効果トランジスタ(AlGaN/GaN HFET)の高安定化を実現することを目的とした。主な成果を以下にまとめる。 (1)水素プラズマを含むプロセス、高温熱処理プロセス、プラズマドライエッチングプロセスによって、AlGaN表面において顕著な窒素空乏が生じ、伝導帯下端近傍に深いドナー準位が形成されることを明らかにした。また、この深いドナー準位が、トランジスタの電流変動の主因になっていることを指摘した。 (2)MBE装置内でのAl薄膜の分子線蒸着とECR励起酸素プラズマ酸化により、3〜4nmの超薄Al_2O_3膜をAlGaN表面に形成するプロセスを開発し、Al_2O_3膜の禁制帯幅が7eV、Al_2O_3/Al_<0.3>Ga_<0.7>Nの伝導帯の不連続量が2.1eVであることを明らかにした。 (3)さらにこの超薄Al_2O_3膜をゲート絶縁膜と表面不活性化膜に応用し、新しい絶縁ゲート型AlGaN/GaNヘテロ構造電界効果トランジスター(HFET)を試作し、良好なゲート制御特性、大きな飽和ドレイン電流(0.8A/mm)、大きな相互コンダクタンス(130mS/mm)を達成した。また、ショットキーゲート型HFETで観測された電流コラプス現象がAl_2O_3絶縁ゲート型HFETでは観測されず、超薄Al_2O_3膜を利用した表面保護構造のデバイス安定化効果を確認することができた。 (4)ショットキー接合の電流-電圧特性における表面近傍の深いドナー準位の影響を、数値計算と実験の両面から検討した。厳密な数値計算プログラムを用いた計算により、実験で求められた電流-電圧特性の温度依存性のふるまいを、詳細に再現することに成功した。その結果より、深いドナー準位のイオン化により薄層化したショットキーバリアが、非常に大きな逆方向漏れ電流の主因であることを明らかにした。
|