研究課題/領域番号 |
14350161
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
伊東 謙太郎 信州大学, 工学部, 教授 (20020977)
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研究分担者 |
橋本 佳男 信州大学, 工学部, 助教授 (30262687)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 12,100千円 (直接経費: 12,100千円)
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キーワード | 薄膜 / 太陽電池 / カルコパイライト / 変換効率 / 前駆体 / 硫化法 / 密着性 / 短絡電流 / バッファー層 / CBD (Chemical Bath Deposition) / 化合物半導体 / CuInS_2 / Cu(In, Ga)S_2 / 表面処理 / 光吸収体 / 溶液成長法 / 無害化 |
研究概要 |
カルコパイライト系薄膜太陽電池の性能を改善するため、硫化法による光吸収層の製作プロセスが太陽電池の効率や薄膜の基板に対する密着性にどのような影響を及ぼすかについて研究し、以下の結果を得た。プロセスの第一段階でMo被覆ガラス基板の上にまずCuGaS_2薄膜を作成した。ここで、真空蒸着法で製作した前駆体のCu/Ga比は1.0とした。さらに第二段階で金属InおよびCuからなる前駆体を使用してその硫化によりCuInS_2光吸収層を製作した。Cu/In比は1.3から2.3まで変化させた。Cu/In比が1.7以上であるとき、短絡電流密度の大きい太陽電池が得られた。これは硫化銅の量子ドットの形成に基づいていると考えられる。Cu/In比を1.7-2.1にしたとき、変換効率が11%までの薄膜太陽電池を実現した。つぎに、GaS、金属InおよびCuからなる前駆体を使用し、その硫化によりCu(In,Ga)S_2光吸収層を製作した。GaSの膜厚を40nm、Cu/In比を1.2としたとき、良好な太陽電池が得られた。GaS膜を厚くしすぎると2次元的に不均一な組成分布を持つCu(In,Ga)S_2薄膜が形成され、光電変換特性は劣化した。これはCuの裏面電極付近への拡散によって表面上にIn過剰な部分が不均一に形成されるためと考えられる。最適な前駆体Gasの膜厚は40nm、Cu/In比は1.2であった。このとき得られた最良の薄膜太陽電池の性能を以下に示す:開放電圧V_<oc>=673mV、短絡電流密度J_<sc>=22.7mA/cm^2、曲線因子FF=0.61、交換効率n=10.8%。光吸収層の基板への密着性の向上が光吸収層へのAlの添加によって改善された。スパッター法で作成した前駆体層におけるCu/(In+Al)比を2.7まで高くしても硫化後に膜は剥がれなかった。また、上記のCuGaS_2層に替えて、第一層としてCuAlS_2薄層を使用しても密着性が改善された。ここで、硫化は真空封止の石英管中で行った。CuAlS_2薄膜の伝導型はp型、抵抗率は60Ω・cm以上、禁制帯幅は3.5eVであった。
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