研究課題/領域番号 |
14350179
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子デバイス・機器工学
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
須田 良幸 国立大学法人東京農工大学, 総合情報メディアセンター, 教授 (10226582)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
14,400千円 (直接経費: 14,400千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2002年度: 10,100千円 (直接経費: 10,100千円)
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キーワード | SiGe / 共鳴トンネルデバイス / RTD / 高速デバイス / 歪緩和 / 量子井戸 / PVCR / 多重障壁 |
研究概要 |
研究代表者は、理論的予測から電子トンネルと多重量子井戸の組み合わせを初めて適用して、1998年に性能指数の1つである電流の山対谷比(PVCR)が7.6以上の高い静特性を示すSi/SiGe系共鳴トンネルダイオード(RTD)の試作に成功した。さらに、電子トンネル型Si/SiGe系RTDの中核技術として、薄化2層構造歪緩和バッファーを提案し、RTDの結晶性を高めてPVCRを〜180まで高めることに成功した。 本研究では、Si系量子効果超高速デバイスの実現を図るため、これらの成果に立脚して、電子トンネル型Si/SiGe系RTDの構成技術の確立を図り、集積化のための要素技術を検討した。 始めに薄化2層構造バッファーについて、歪緩和機構と作製条件を明確にした。1層目が完全歪で成長するが、Ge濃度の高い2層目を10nm積層しただけで、1層目が緩和し、貫通転位密度は10^5cm^<-2>台と低いままであった。即ち、2層目が1層目の緩和を起こし、且つ転位の表出を抑制していることを明らかにした。この結果を基に、転位の発生位置の制御性の高い薄化3層構造バッファーをさらに提案し、その作成原理と作製条件を明確にして、結晶性と緩和率の高いバッファーを得た。この薄化3層構造バッファーを用いて、室温下で、PVCRが数百を超える、III-V系RTDをはるかに凌ぐI-V静特性を得、SiGe系RTDが、デバイスレベルで有望であることを示した。さらに、集積化の要素技術として、電流密度の制御法および、微細化のため基本技術を得た。 以上、新しいバッファーの形成法の提案と原理の明確化を通じて電子トンネル型Si/SiGe系RTDの構成技術を明らかにし、デバイスレベルでその有効性を示した。また、集積化のための重要な基本要素技術を検討した。今後のSi/SiGe系RTD技術展開の基盤を示したと言える。
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