配分額 *注記 |
14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
2004年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2003年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2002年度: 8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
|
研究概要 |
本研究では,PDPマイクロ放電を模擬した放電プラズマにレーザートムソン散乱(LTS)計測法を適用可能にするとともに,同法を用いてマイクロ放電の構造を詳細に明らかにした。成果の概要は,次の通りである。 (1)全幅2mmの電極基板を新たに開発するとともにレーザービームのスポットサイズを50μmに制限することで,PDPマイクロ放電を模擬した放電プラズマに対して,基板表面から60μm離れた位置においてLTS信号を検出可能とした。その結果,マイクロ放電の2次元的な電子密度,電子温度の分布を詳しく調べることができるようになった。 (2)定在縞構造をもつPDPマイクロ放電プラズマの電子密度と電子温度の分布を調べた。定在縞の構造を理解するため,Ne/Ar(10%)200Torrの混合ガス中の放電を対象として,電子密度と電子温度の分布の詳しい測定を行った。その結果,電子密度の変動が陽極上で明確に観測された。さらに,電子温度の変動も同時に観測され,その変動の位相は電子密度の変動とほぼ逆位相であることを明らかにした。 (3)YAGレーザー第2高調波(波長532nm)を光源とした可視域のLTSシステムをNe/Xe混合ガス中の放電に適用すると,プラズマの状態を乱してしまうという問題が生じた。これは,532nm光の多光子吸収によってXe原子が電離されていることによると考えられる。そこで,多光子吸収の確率が大幅に減少するように光子エネルギーが半分のYAGレーザー基本波(波長1064nm)を光源とする,赤外域のLTSシステムの開発を行った。実際に,Ne/Xe混合ガス中の放電でトムソン散乱計測を実行し,赤外LTSシステムではレーザー擾乱が問題とならないことを実証した。また,測定された電子密度,電子温度の分布は,Ne/Ar混合ガス中の同様の放電条件下で測定されたものと大略一致することを示した。
|