配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
2004年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2003年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2002年度: 9,400千円 (直接経費: 9,400千円)
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研究概要 |
フェムト秒レーザパルスによって光ファイバにおいて誘起される非線形光学効果によって量子相関形成が起きる。本研究ではとくに周波数モード間の量子相関形成に着目して,光子数スクイージングの発生と検出の研究を行い,以下の知見を得た。 (1)ガラスファイバの異常分散領域においてフェムト秒パルスを伝播させた場合,スペクトルの中央部分で負の量子相関が形成される。この負の相関形成を指標として,入力パルスの周波数位相を適応制御することで最適化が達成できることをはじめて明らかにした。さらに,2つの周波数成分間の直交位相にかんする2モードスクイージングも同様の適応制御によって形成できることをはじめて明らかにした。ただし,実験で実現するには,周波数位相を整形するデバイスにおける時空間結合の効果により特定の周波数成分のファイバ結合効率が低下してしまうことが判明し未だ実現できていない。 (2)波長800nm近傍にゼロ分散を有するフォトニッククリスタルファイバに波長800nmのフェムト秒レーザパルスを伝播させると,自己位相変調に加えて誘導ラマン散乱,4波混合効果によってオクターブ近く広帯域化したスペクトルが形成できる。この場合,ストークスラマン成分は異常分散領域に当たるのでラマンシフトを繰り返しながらソリトン的伝播が可能となる。我々は,このストークス成分で今までにな高い光子数スクイージングが形成されることをはじめて発見した。また,理論解析から,この広帯域スペクトル内では複雑な量子相関が形成されており,ストークス成分のみならず反ストークス成分においても高いスクイージングが得られることを見出した。 (3)ストークス成分と反ストークス成分は,ファイバにおいて同じ群速度で伝播する。これを積極的に利用すると,異なる周波数の2つのパルスが同じ群速度で伝播することで高い量子相関を形成できることをはじめて明らかにした。
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