配分額 *注記 |
13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
2004年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2003年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
2002年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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研究概要 |
本研究は,マルチモーダル環境下において,主に,聴覚情報と体性感覚情報の相互作用に着目し,これを積極的に活用することにより,従来にはない超高精度臨場感通信システムの構築を可能とすることを最終的な目的として研究を行った.まず,体性感覚情報が音空間知覚にどのような影響を与えるかについて検討を行った.更に,音空間情報提示時における音場再生法に関し,所望の音場をできるだけ忠実に再現することが可能な新たなバイノーラル音場生成法について検討を進めた.最後に,これらの得られた知見を組み合わせ,これまでにない新しい3次元音空間提示システムの構築を行った. 本研究の結果,まず,仮想音像の定位において,頭部伝達関数が本人のものであるか否かに関わらず,頭部運動を行うことによって定位精度が改善することが示された.この知見は,聴覚ディスプレイシステムを構築する上での頭部運動の重要性が,他人の頭部伝達関数を用いる場合でも当てはまることを示す重要な知見である.次に,音場を厳密に再生するためには,外耳道閉そく状態で測定された頭部伝達関数に対する,外耳道閉そくによる音響インピーダンスの変化(自由空間等価特性)の補正が重要であることも示された.更には,これらの知見を組み合わせ,自由空間等価特性がほぼ1と見なせる平面型スピーカを用いた頭部運動感応型3次元音空間提示システムが精密な音空間提示において有効であることが示された.以上の知見が得られたことにより,本研究の目的である,聴取者の運動を含めたマルチモーダル環境下における,これまで以上に高精度な音空間提示システムの構築がなったものと思われる.
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